第4話 邂逅

見えてない…だと?


「(ああ、ただ魂だけの者が喋れる場合はないからな、多分この部屋には確実にいると思うがね。まあ例外もあるにはあるが…)」

「(君は多分違うだろうな、なんとなくだが。

そういえば世界の声が聞こえると言っていたが、それはどんな内容だったんだ?)」


あー、成長限界に達しました。みたいなことは言ってた気がするけど、どういうことなんですかねこれは。僕進化したりするんですかね。


「(…勘が良いね君。ええと、進化っていうのはね、今まで以上の自分になれるんだ。その時必要だったりしたものや、単にもっと強くなったり、上位種族になれたりと種族によって違うんだけど、一つだけ条件があるんだ。

それは人間でないこと。)」


なるほど。じゃあ僕は人間じゃないんだ。


「(意外と反応が薄い君に驚くよ…肝が据わってるというか、冷静というか鈍感というか……)」


そりゃまあ、転生して人間以外になるなんてそうそうはありますからね。今さらなんとも思わないわけですよ。

それより、どうやって進化するとかはないのか?なにか石が必要だったりしないか?或いは特定の条件とか…


「(君が何か分からないからなんとも言えないな。それにそういうのはあまり情報が充てにならないんだ。)」


「そうか。なら暫くは気にしなくてもいいってことになるのか。」


「(!?)」


「どうした先生!?何かあったんですか!?」


「お前喋れてんじゃねえか!てめえいつからそこに居やがった!?」


「本当だ。喋れるようになってんじゃんか僕!というかここ意外と狭かったんですね。あれ、先生が今度は居ないじゃないですか。まったく、どこに隠れてるんだよ先生。」

辺りを見回すが、何処にも人影はない。


「バカヤローお前、俺はここだよここ!思いっきり声聞こえんだろうが!」


確かに聞こえる。丁度視界の真ん中からだ。


「先生だってそれ…」

部屋の真ん中に佇むそれを見て、思わず突っ込んでしまう。


「あんた宝箱じゃねーか!!」


震える声が、部屋全体を木霊した。

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