その162、お祝いをしよう(2)
完成した作品を前に、項垂れる。
手作りが喜ばれる、という父の甘言に乗せられ、アクセサリーの製作を思い立ったのが一昨日。
ポリマークレイやらビーズやらを買ったり、組み合わせたりしている間は楽しかった。けれど、月に乗った猫をモチーフにしたはずなのに、できあがったそれはどう見てもコッペパンを踏みつぶすモアイ像だった。しかも、また耳をつけ忘れている。あっても焼け石に水だけど。
よく考えると、男の人ってそもそもがアクセサリーをつけないのでは。いや、父は喜々としてつけるだろうけど、この呪物を外で見せびらかせられたら正気を保っていられる自信がない。
貯金箱を覗き見る。別のプレゼントを買う余裕はない。
……どうしよう。
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