その143、別荘へ行こう(14)
「ありがとうございました!」
ミカちゃん、そしてミカちゃんのお姉さんと一緒に頭を下げた。
メイドさんたちを従え、時田さんがにっこり笑う。
「また、ぜひいらしてください」
「はい!」
三人、気持ちよくユニゾン。顔を見合わせて笑う。
別荘での最終日。みな続々と帰路に着き、残るは私たちの家族だけだった。
「またね!」
ミカちゃんが手を振る。
「うん、また」
私も大きく振り返す。お姉さんも手を振ってくれた。
響くエンジン音。ゆるやかに動き出した車の中、屋敷を振り返る。お祭りの後のような、何だかちょっと寂しい気分。けど――
「楽しかったな」
助手席の父が言った。
「うん」
ありがと――そう小さく付け足して、私は再び窓へと目を遣った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます