その128、校内放送(3)

 どうしてこうなった――

 率直な感想だった。とりあえず、ショーシコーレーカ―って何だ。

 放送室から戻ったミカちゃんに噂の発信源を確認すると、申し訳なさそうに、

「ごめん、情報ソースはトップシークレットって言われてて……」

 あ、はい。

「でも、ひょっとこ怪人のことなら話せるよ。いろんな噂があって、実は小学生をさらおうとしてたとか」

 うん、それ私。

「怖いよね」

「……そだね」

 ほかに何が言えるだろう。今はただ噂が消えるの願うほかあるまい。と、男子たちの会話が聞こえてきた。

「え、お前、ひょっとこ怪人に会ったの?」

「マジで怖かった。ネズミをばりばり食っててさ」

 どうやら尾ひれをつけつつ絶賛拡散中らしい。私は、頭を抱えた。

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