その118、買い物に行こう(12)

「おもしろい人だね」

 隣を歩くカッコーに言う。おじいさんとおばさんが見守る中、二人帰路についたところだ。

「カッコーのお姉さん。かっこいいし」

「近くにいるとたまったもんじゃないけど」

「あ、それはなんとなく分かるかも」

 うちにも似たようなのがいるから。思わず笑ってから、さりげに周囲を窺う。またひょっとこが出て来ないか警戒したのだ。あれだけ打ちのめされたのだ、常人なら懲りるだろうが相手は父だ。油断はできない。

 会話が途切れ靴音が響く。先ほどから私ばかりしゃべっている。

「……でさ」

 足を止める。ここはきちんと言っておかなくちゃいけないだろう。

「さっきも言ったけど、私は気にしてないから」

 カッコーが立ち止まった。

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