これは妹の特権

 私がブラコンになった理由、それは、私がを好きになってしまったから。

 そして、ブラコンであれば、何かと許されることが多いとわかってしまった。

 とはいっても、これは、がお人よしで優しいから成り立つ関係であることもわかっていた。(ワンチャン、シスコンも疑ったけど違うみたい。)

 が私を女としてではなく、妹として接しているだけだとわかっている。

 それでも、私は愛情表現を止めるつもりはない。

 なぜなら、私には時間がないから。

 生きている間に、私が生きた証を残すために。

 

 あの日を境に、と私の関係は劇的に変わった。

 私たちの関係を知った両親は嬉しそうで、安心したみたいだった。

 変わったこともあるが、変わらないこともある。母と義理父は海外を飛び回って忙しそうだったし、は、本当に仕事人間だった。(仲良くなってから最初の頃はまだ疑っていた。ごめんね、お兄ちゃん。)

 私はというと、あれからも変わらずほとんど家で過ごしている。(自宅警備隊隊長である!なんちゃって。)

 まぁ、少し変わったと言えば、現役JKでありながら専業主婦みたいなことをするようになったことくらい。

 お陰で家事は一通りできるようになった。

 ただ家事をしているのに飽きた時は、気分転換にメイドになりきってにご奉仕をしてみたりもした。もちろん、ちゃんとメイド服も着て。(コスプレするとテンション上がるのよ。)

 は優しいから私の遊びに付き合ってくれているのだと思うけど、誤魔化すのが下手なのか、素直すぎるのか、本当に女性の扱いに慣れていないのがわかるくらい本当に照れている時もあった。私は、にそんな反応をされたら嬉しくてやめられなくなっていた。(やめられるはずないでしょ。)


 私が、のことを恋愛対象としての好きだと自覚したのは最近だ。

 は、私がブラコンとしか思っていない。鈍いにもほどがある。

 初めは、少しは意識してくれてもいいのにと思ったことはある、だが、今はこのままでいいと思っている。むしろ、この状況こそドキドキできて、ワクワクしかない。

 控えめに言って、最高ですよ。


 私がと一緒に過ごせる時間にはタイムリミットがある。

 このことは、は知らない。

 私だって、できる事なら先の事を考えないで一緒に過ごしていたい。でも、それができないとわかっているなら、例え嫌われても自分ができることはやっておきたい。

 もちろん、嫌われるのは嫌だけど、もう我慢しないでわがままに生きると決めたから、それで嫌われるなら後悔ない。


 だから、私は今日もに伝える。


「お兄ちゃん、大好きだよー!愛してるー///」


 が困りながら優しくハグしてくれたり、頭を撫でてくれたりする毎日がずっと続けばいいのにと私は毎日祈る。


 叶わない恋だけど、ブラコンとしてなら問題ないよね?

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