隠れブラコンの兄は無自覚シスコン
こんにちは。告白者の【隠れブラコンちゃん】と申します。
今回は、私の兄貴(a.k.aシスコン・モンスター)についてお話をさせていただきます。よろしくお願いします。
私は、”シスコンになる前の兄貴”についての記憶はほとんどありません。兄貴が”シスコン”だと確信したのは高校生の頃ですが、思い返してみると、あれもこれもシスコンだったと思うような言動をしている兄貴の姿しか思い出せません。
”隠れブラコン”にとって”シスコン・モンスター”の相手は日常なので、特に驚くことや困ったことはほとんどありません。
しかし、未だ世界は”シスコン=気持ち悪い”という偏見があります。なので、数少ない友人たちは口をそろえて私に言うのです、「気を付けろ」と。それもそのはず、仕事モードの兄貴を知らない友人たちにとって、兄貴=”シスコン・モンスター”という認識なので、気を付けろと言われるのは仕方ないのかもしれません。それでも”隠れブラコン”でいるために、私は兄貴に対して気を付けるフリをしなければなりません。その間しばらく兄貴との連絡や会うことも控えました。
この強制自粛をどう乗り越えたかというと、これまでの【シスコン・モンスター・コレクション(SMC)】でなんとか生き延びることができました。
そんな約1ヶ月の厳しい修行を乗り越えた私は、今こうして堂々と”隠れブラコン”でいられるのです。
おまけに兄貴の得意なことを話したいと思います。
1、仕事、2、家事全般、3、告白されてフラれること、です。
まず仕事ですが、かなり優秀みたいです。”シスコン・モンスター”ではない”仕事モード”の兄は会社では上司からも部下からも信頼されているようで、嫌われてないようで安心しました。
家事や近所付き合いは、両親が亡くなってから兄が代わりにやっていたので、一通りかそれ以上できると思います。若かりし頃も容姿が”イケメン”だったので、ご近所のおばさまたちにも人気だった記憶があります。兄の対応力はその頃から鍛えられたのかもしれません。
そして最後に、告白されてフラれることですが、フラれる理由はたった一つ”私”です。これまでお付き合いしてきた数々の恋人たちは、兄が”シスコン・モンスター”だと知らずに好意を持ち告白し付き合います。それもそのはず、兄は”無自覚シスコン”なので、普通にしていたら”シスコン”だと思われることはまずありません。ですが、後に私の存在を知ってから彼女たちは徐々に疑問を持ち始めるのです。「もしかすると、彼は”シスコン”なのかも?」そして、私への態度に違和感を持ち、最終的に「こいつ、”シスコン”だ。」と確信に変わるのです。そして、兄は毎回フラれます。告白されフラれるまでがワンセットなのです。
しかし、フラれる兄は決まって言うのです「恋人と妹は天秤に懸けるものじゃない。」と。そんなこと言われてもド正論過ぎて何も言い返せません。これまでの恋人たちが、騙されたと被害妄想をしてしまうのも仕方ないのかもしれません。
私は兄がフラれるたびに少しは申し訳ないなと思いますが、”ブラコン”としては、兄に恋人ができるたびに「ワンセットゲームの始まり」と毎回思ってしまうことも事実なのです。ただ、”隠れブラコン”なので願うだけで実害はしません。
<通知音>
「またワンセット始まるのか、今度はどんな人だろー、」
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