第9章 心模様
翔太と付き合うようになって、わたしは今までにない感情が、心の中に住み始めたことに気づいた。
今までのわたしからは全く想像できないくらい、翔太とは離れた瞬間から会いたいという気持ちと、寂しいという気持ちが共存するようになった。なによりも、一緒にいると、安心感に包まれるような、そんな不思議な感覚に包まれていた。そして、その感情は翔太も同じで、会えない日はLINEしたり、週末はどちらかの家で過ごしたりと、毎日のように同じ時間を過ごした。
仕事では相変わらずお互い忙しく、ゆっくり話す時間はなかったが、ランチは仕事の都合が合えば、杏も合流して一緒に食べる事が多かった。杏は、ほんと仲いいよねー。なんかムカつくわ笑と冗談を言ってよく笑っていた。
若葉が青く繁り、澄みわたる空の日差しが強くなった頃、他の支社から1人の女性が移動してきた。綺麗な人、、、それが第一印象だった。わたしがそんなことを考えていると、突然翔太が「あ!凛!移動してきたの?」と話しかけた。すると、その女性も「翔太、ここにいたんだ笑。よろしくねー」と返した。なんとなく、その会話を聞いたわたしの心はざわついた。凛の簡単な挨拶の後、わたしは自分の仕事に戻った。翔太と凛は、以前ここに来る前同じ支社で一緒に働いていた事もあり、しばらく翔太と一緒に行動して、ここでの仕事を覚えていくことになった。
2人とも同僚ということもあってか、とても仲良く見えた。そして、なんとなく距離感も近い気がして、気にしないようにしようとしても、どうしても視界に入ってきてしまい、わたしの心のざわざわは、なかなか落ち着いてはくれなかった。
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