第4話独り言1
「ありがとうございます。まず、ルミナス様を学園の裏手で罵倒したと言われましたが、私がルミナス様から呼ばれたのです。ルミナス様はほんとうに几帳面な方ですから、放課後裏手に来るように、とお手紙で頂きました。そのような方には私も几帳面に返さねばと思い、タフト先生にお渡ししましたよ。ねえタフト先生」
数学の先生だ。
「え!?なんで渡すのよ!!」
「はい。大事に持っています。スティングレイ様と中身を確認しました」
「え!!読んだの!?」
「はい。放課後話したい事があるから1人で来なさい、と書いてあり、少し心配でしたので後をつけ、全部拝見しましたよ」
「え!!見たの!?私がスティングレイ様を押し倒したのを!?」
自分で暴露してくれたわ。手間が省ける事。
「ルミナス、そんな事をしたのか!?私にはスティングレイが強面で呼び出してきて、押し倒された、と言っていたでは無いか!?」
あら、逆ですわね。
だって、ルミナス様が強面でしたもの。
「そうなんですか?私が押し倒したなんて初めて聞きました。私が押し倒されている時に、ついルミナス様の服を掴んでしまい破ってしまいました。申し訳なく思っていたのですよ」
あら?ルミナス様顔色悪くなりましたよ。
「ルミナス様、大丈夫ですか?」
「うるさい!!」
あら。淑女としての顔じゃなくなりましたよ。
まあ、いいでしょう。
「さて、次にハンカチですが、お持ちのハンカチには宝石がついておりまして、生徒会の役員の私としては風紀の為お預かり、タフト先生に渡しました。その旨をお伝えしましたのに、まだ取りに行かれてないらしいですね」
「私には、スティングレイに奪われて何度言っても返して貰えない、と言っていたじゃないか!?」
取りにいっていないのから、返して貰える訳が無いわね。
「僕の所へ来てくれたら直ぐに返しますよ。なんなら今持ってきましょうか?手紙と一緒に」
「あら、いい提案ですね。タフト先生持ってきて」
「いらないわよ!!そんなの嘘ですわ!!この2人が勝手に作り上げたでっち上げです!!」
いやいやさっき、
渡した、
だの、
読んだ、
だの、
押し倒した、
だの言っていましたよね。
そんなおつむの弱さだから、候補を外されたんですよ。
「それと罵倒、と言われたのはもしかしたら、がに股で椅子に座っておられて大笑いをしているのを注意した事でしょうか?」
「ルミナス!?そんなみっともない格好をしていたのか!?」
「ちがっ・・・い・・・」
ません、とはいいずらいですよねえ。同じクラスの方々が冷ややかな目で見ていますもの。
「さて、次の独り言に行きますね」
「え!?私!?」
プラド様が飛び上がった。
他に誰がいるのかしらん。
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