第2話本当です1

「まず、何度も、ルミナス嬢を学園の裏手に呼び出し、2人っきりになった所を、罵倒したらしいな!」

ああ。それですか。

「そうなんです!私を、派手な化粧で汚ならしい、そんな服は似合わないと破ってしまったのです!」

ああ、と呻くように、セルボ王子の腕によろめいた。

上手い!

とても豊満な胸をお持ちなルミナス様が、余すことなく押し付けている。

同じ女性でありながら、無駄がないと感心しますわ。

気持ちよさそうですもの。

ほら、セルボ様が鼻の下を伸ばし、ドレスの谷間に見える変形した胸を嬉しそうに見ています。

柔らかそうな胸ですものね、気持ちはわかります。女性の私でさえも、つつきたくなりますもの。

「聞いているのか!!」

そうでしたね。

「はい。聞いております。仰る通りですございます」

そんな事をしたのか?とザワザワと声がする。

「認めたか!その上ルミナス嬢が持っている品物を取り上げたそうじゃないか!!」

「そうです!私が普段使用しているハンカチを無理やり取り上げたのです!!ご自分が・・・ご自分が手に入れれないからといって酷いですわあ!!」

ん?

ハンカチ??

えーと、えーと。

あ、あれか。

あの、だっさいやつね。

「はい。仰る通りでございます」

また、ザワザワと声がする。

「スティングレイ。そんな事を言っても大丈夫なのか?」

いつの間にか私の後ろにいた、来賓で参加している帝国第二皇子ギャラン、もとい、ギャラン様がそっと声を掛けてきた。

「うん。だって、本当の事だもん」

「ふうん。なら、いっか」

軽く笑いながら答え、そのまま私の側に立った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る