第6話


数日後



ギルドの近くの食堂兼宿



「可愛い~猫ちゃん」


「どうしたの~?あー!猫ちゃん!にゃー」


「にゃー」


「「可愛い!」」


きゃーと顔を見合わせてはしゃぐ姉妹。


「お腹空いてるかな?」


「何か食べるかな?」


「お母さーん!猫ちゃんー!」


「ごはんごはん!」


「え?どうしたの?あらあらあら」


宿の裏手の井戸で洗濯をしていた女性が姉妹に手を引かれ猫のもとにやってきた。



濡れた手をエプロンで拭き猫を撫でる。


「あなた大人しいね。どこから来たんだい?」


撫でられた猫はゴロゴロ喉を鳴らした。


「そうだ。朝ご飯の残りで良ければご飯あるよ?食べるかい?」


「にゃー」


「ちょっと待っててね」


女性は台所で手を洗うと猫まんまを作った。


「私持ってく!」


「あーお姉ちゃんずるいー私が持って来たい」


揉める姉妹にもう一枚水が入った木皿を追加した。


「猫ちゃん喉も乾いたって。こっちの方が運ぶの難しいよ?上手に運べるかな?」


「私こっち運ぶ」


はーいと元気よく返事をした妹に水の入った木皿を渡した。


猫はフンフンと鼻を鳴らしペロリと平らげた。


前足で顔を撫で付け満足したらしくお散歩へと旅立った。



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