第5話



ギルド解体場



「どうしたんだお前」


「にゃー」



時刻は午後そろそろ仮に出かけた冒険者が戻る頃だ。


「危ねぇからあっち行ってろ」


しっしっと手で追い払うが猫は逃げない。


しばし見つめ合う猫と解体場のおっさん。



「…はぁ……そこ危ねぇから見てるならそっちに居ろ。後で半端な肉でも食わせてやっから」


根負けしたおっさんは頭をわしゃわしゃと掻くと隅へ指を差した。


「にゃー」


指差された方へ尻尾を振りながら歩く猫。


指定された場所で伸びをし寝始めた。



「お前らそこに猫がいるから作業する時気を付けろ」


「「「へい」」」


猫は着々とギルド内の縄張りを増やしていった。

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