第17話 満員電車

ついに受験期を迎えた。最初で最後のチャンス

必ず合格したい。そう意気込んで会場へ向かう。満員電車へ乗るのが怖い。

痴漢に遭遇しやすく、胸や尻を触られるのが凄く不快だからだ。

彼になら触られても良い。女子の体は繊細であるのだ。

痴漢を恐れていても仕方がない。そう勇気を出して、満員電車に乗る。

2駅揺られ、乗り換えて再び満員電車に乗った私は肩を後ろから

触られた。人違いだろうと思って気にしない事にした。

すると電車が揺れ、胸に手が触れて声を出してしまった。

お尻の辺りに硬い物が当たっている。気分は最悪だ。

「‥‥ごめん。若水さん」名前を呼ばれた気がした。

振り返って見ると制服姿の彼がいた。彼に胸を触られたと思うと

恥ずかしくなって私は顔を隠してしまった。

彼もあれだけクールだったのに興奮していたのがバレて恥ずかしいのか

苦笑いしていた。赤面した二人は同じ高校へ歩みを進めた。

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