届きそうで届かない距離

第14話 駅までの帰り道。

私は、彼の家を出て最寄りの駅へ歩き始めた。

なんだか、寂しい気持ちになった。実家に戻りたくない。

彼の家は凄く居心地が良かった。変に緊張もしないし、男女の友情を感じた。

彼と連絡先を交換するのを忘れてしまった。連絡手段がない。もう、会えないのかな

そう思って落ち込んでいると背後から聞き覚えのある声が聞こえる。

「若水さん!メールアドレス交換しない?」と大声で走ってきた。

私は、嬉しくて泣いてしまった。やっぱり好き。

僕は何か忘れている気がする。好きと伝えたのは良い。

また連絡するねと言ったが、僕は連絡先を渡していただろうか。

いや、確認するしかない。まだ近くにいるはずだ。探そう。

小さな彼女の背中を見つけた。そして連絡先を交換した後、駅まで送って

ハグとキスを交わして見送った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る