第12話 君と過ごす最後の日

あれからどのくらい立っただろうか。

結局のところ彼女の好きな人が分からず、1年が過ぎ、

中学3年生になった。

受験が近づくにつれ、彼女が帰ってしまう日が

刻々と迫ってくる。好きと伝えるべきだろうか。

いや、受験前だ。それに片思いだったら負担になるだけだ。

受験に集中したいはずだ。そう思って伝えるのは辞めた。

逃げたわけじゃない。時期が悪かったのだ。

一方で彼女は悲しそうにうつむいている。

そりゃそうか。好きな人と離れるのだから。

自分が馬鹿だったな。また期待をしてしまった。

私は、好きと伝えないことにした。

きっと彼は困ってしまうからだ。それに、異性と

思われていない可能性もある。勘違いだったら恥ずかしい。

明日は実家へ帰る日、またここに来れるだろうか。

分からない。自分の気持ちに素直になれなくて

モヤモヤしてここ2日ぐらい寝れなかった。

「俺、私。どうしたら良いのかな」

2人は心の中でそう叫んだ。

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