第2話 道は違くても帰りは同じ

自宅へ帰っているとお腹が減ってきたので途中で

コンビニに寄ることにした。コンビニへ入ると

何やら見覚えのある顔の女子がいた。

若水小春だ。さっき教室で話しかけてきた子だ。

あの子は美人で男子からも評判が良い。

きっと地味な僕とは正反対の人間だ。

そう思いながら、レジへ行き、手早く済ませて

帰ろうとした瞬間の出来事だった。

細く小さい声で「ねぇ、話そうよ‥‥」と囁かれた

流石に、この声を見過ごせはしないと男の勘が

言ったので、「なっ、なぁに?」と不器用に

返答した。「もっと君のことが知りたい。」

「一緒に‥帰りませんか」と言ったようだが、

僕には一瞬だけ告白のように聞こえてしまい、

動揺をしていたなんて恥ずかしすぎて

言えなかった。こんな感じで一緒に帰る事に

なった僕は違和感を感じていた。普通は、

どこかで「ここ曲がるからまたね」とか良くある

シチュエーションがあるはずなのだが、無い。

数歩、歩いたら我が家が見える。隣の家には

若水という文字はないから一体なぜここまで

付いてくるのか疑問を抱きながら玄関前に

到着した。

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