第15話 想い人の妹にも相談?
優香ちゃんは一人で来ているようなので、カフェで私達と一緒の席に座って話す。
「香澄お義姉ちゃんと奈央先輩に会えるなんて、やっぱり高校生になったら放課後にカフェでお喋りだよね!」
「肯定も否定もしづらいけど、別に女子高生が全員、放課後にカフェ行ってるわけじゃないからね」
「原宿に行ってるわけでもないしねぇ」
「えっ、そうなんですか!? だけど奈央先輩は私と行ってくれますよね?」
「もちのろんだよー」
優香ちゃんは人見知りなどしないタイプだし、奈央も誰とでも仲良くなれるタイプだ。
二人は一瞬にして仲良くなった、元々相性は良いみたいだしね。
「あっ、そういえば優香ちゃん、聞きたいことがあるんだけどさ」
「はい、なんですか奈央先輩。私のスリーサイズですか?」
「あはは、可愛らしい優香ちゃんのスリーサイズはとても気になるけどね」
「可愛らしいってそれはスタイルが可愛らしいってことですか、奈央先輩みたいにボンキュッボンなセクシーじゃなくて貧相でお子様で可愛らしいってことですか、よろしいならば戦争です」
「違うよぉ、優香ちゃんのお兄さんについてなんだけどさ」
「お兄ちゃん? お兄ちゃんのスリーサイズってことですか?」
「それも気になるけど、それを聞いたら香澄が怒っちゃうから」
「あっ、それもそうですよね。香澄お義姉ちゃんにだけあとでお兄ちゃんのスリーサイズを教えますね」
「ツッコミが追いつかないから、あまりボケないでくれる?」
なんでいきなりスリーサイズの話になったのか、優香ちゃんはスリーサイズのことで一瞬だけブチギレてたけど。
奈央はそれを当然かのごとく無視してて、いきなり誠也のスリーサイズの話になったけど、私は別に誠也のスリーサイズなんて聞かなくてもいい。
……まあ、どうしてもっていうなら聞いてあげてもいいけど。
「それで、お兄ちゃんの何を知りたいんですか?」
「さっきも私と香澄で話してたんだけど、香澄が誠也くんと結婚するためにはどうすればいいのかなぁ、って」
「ちょ、奈央、そんなこと言ったら……!」
「えっ香澄お義姉ちゃんがついにお兄ちゃんと結婚をしてくれるんですか本当ですか!? やったぁ! それならすぐに結婚式場を確保しないと! ああ、その前にお赤飯を炊かないといけないのかな? とりあえず今日私は友達の家に泊まってくるので、夜はお若い二人でお楽しみください!」
「何言ってるのかわからないけど、いろいろと違うからね優香ちゃん」
「ふふっ、やっぱり優香ちゃんは面白いなぁ」
「あんたのせいでしょ」
奈央はいつも通りニコニコしながら私と優香ちゃんの様子を見ていた。
やっぱり奈央に相談したのは間違いだったかなぁ……。
「だけど結婚するためにはどうすればいいって、どういうことですか? いつもお兄ちゃんがバカみたいに『結婚しよう!』って言ってるんだから、それに『はい! 一緒に幸せな家庭を作りましょう!』って言えばいいだけじゃないですか?」
「だからそんな簡単な話じゃなくてね。あと私、そんなことは言わないから」
ここまで話してしまったのだから、優香ちゃんにも私が悩んでいることを説明する。
自分が誠也に釣り合ってないのではないか。
誠也は私のためにいっぱい努力してくれてるのに、私は全然努力出来てないこと。
もっと頑張らないといけないけど、聖夜に勝てるくらいのものが私にはないこと。
それらを話すと、優香ちゃんが「はぁ」と言って不思議そうな顔をした。
「なんか香澄お義姉ちゃん、意外とめんどくさいんですね」
「めんどくさ……!?」
まさか優香ちゃんにそんなことを言われるとは思わず、絶句してしまった。
「お義姉ちゃんがお兄ちゃんのこと好きっていうのは昔からわかってましたけど」
「えっ、優香ちゃんもわかってたの!?」
「いつものお兄ちゃんとお義姉ちゃんの様子を見てわからないのはバカだけですよ。つまりお兄ちゃんだけです」
兄に対してとても酷い言い草だけど、まさか優香ちゃんにまでバレていたなんて……。
「は、恥ずかしい……!」
今日まで私が誠也のことを好きだということは、誰にもバレてないと思っていたのに。
まさか誠也以外のほとんど全員にバレているなんて、思いも寄らなかった。
「大丈夫だよ香澄お義姉ちゃん! 恥ずかしがってる顔も可愛いから!」
「な、何が大丈夫なのかわからないわよ、それ」
「大丈夫よ香澄、誠也くんにはバレてないだろうからねぇ」
「……それも不安になってきたし、逆になんで誠也にだけバレてないかわからないわ」
「それはお兄ちゃんがアホだからだよ」
「……まあそうね」
誠也がアホでバカなのはわかっているから、誠也にだけバレてないというのは信じられそうだ。
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