「43」合間の休息

 ハズィリーの願いを優先して学校に行ってみたが、結果としては散々であった。

 自転車を漕いだ疲労感がどっと押し寄せて来て──教師の声が心地良くて、そのまま寝入ってしまった。

 起きてからも空腹でグゥグゥとお腹が鳴るし、ハズィリーのことで頭がいっぱいであった。

──とても授業どころではない。

 それでも、未来の彼女の思いを叶えるためには、きちんと授業を受けなければならない。

──きちんと?

 果たして、こんな態度で受けられたといえるだろうか。

 少しは大目に見てもらいたいところである。


「終わった……」


 何とか一日を乗り切ったが、余計に疲労が溜まった。

 今日だけで内申点を付けるとしたら最悪だっただろう。今後の評価にも関わってきそうである。

──すまない。

 過去の自分に負債を負わせてしまい、俺は内心で謝った。


 まぁ、何にせよ放課後だ。

 授業が終わったので、これ以上ここに居る必要はない。教師に事情を伝え、今日は俺だけがハズィリーの病室を訪れることになっている。

 授業のプリントをバッグに詰めた俺は学校を出て、ハズィリーが入院している病院へと三度向かった。


 ハズィリーはもう目覚めているだろうか──彼女の容態が心配で、俺は急いだものである。

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