「43」合間の休息
ハズィリーの願いを優先して学校に行ってみたが、結果としては散々であった。
自転車を漕いだ疲労感がどっと押し寄せて来て──教師の声が心地良くて、そのまま寝入ってしまった。
起きてからも空腹でグゥグゥとお腹が鳴るし、ハズィリーのことで頭がいっぱいであった。
──とても授業どころではない。
それでも、未来の彼女の思いを叶えるためには、きちんと授業を受けなければならない。
──きちんと?
果たして、こんな態度で受けられたといえるだろうか。
少しは大目に見てもらいたいところである。
「終わった……」
何とか一日を乗り切ったが、余計に疲労が溜まった。
今日だけで内申点を付けるとしたら最悪だっただろう。今後の評価にも関わってきそうである。
──すまない。
過去の自分に負債を負わせてしまい、俺は内心で謝った。
まぁ、何にせよ放課後だ。
授業が終わったので、これ以上ここに居る必要はない。教師に事情を伝え、今日は俺だけがハズィリーの病室を訪れることになっている。
授業のプリントをバッグに詰めた俺は学校を出て、ハズィリーが入院している病院へと三度向かった。
ハズィリーはもう目覚めているだろうか──彼女の容態が心配で、俺は急いだものである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます