第四話
少しすると
「決めた。俺、
「え?」
「誰がどう考えたって、おかしいって! 世界の未来のためにがんばっている
「颯真……」
そして颯真の幽霊は、何かを決心した表情で語った。
「俺、霊界に行って生まれ変わってくるよ。そして、希星の手伝いをするよ……」
「え?」
颯真の幽霊は、またしても叫んだ。
「おーい、レスト! 出てきてくれ! 俺は霊界に行くことに決めたから!」
すると颯真の幽霊の左隣にレストが、『すぅ』と現れた。そして確認した。
「本当に、霊界に行ってもいいんですか? 『
「ああ、無くなったよ。だから霊界に行くよ」
「そうですか……」とレストはスーツの内側から、タブレットPCを出して
颯真の幽霊は、「それじゃあな、希星。生まれ変わってきたら、また会おうぜ!」と言い残して光の渦に入って行った。そしてレストに聞いていた。
「なあ、レスト。生まれ変わってくることって、出来んの?」
レストは、冷静に答えていた。
「『生まれ変わり』ですか……。確かに霊界には、『生まれ変わり』の制度もございます。ですが、そのためにはまず霊界で一年間、
レストも光の渦に飲み込まれそうになった時、振り向いて告げた。
「あ、そうそう。一つ言い忘れていました。私、死神に関する
そして白い渦も、消えていった。
●
十七年後、私は三十三歳になった。そしてハンバーガーを
売るのはもちろん、県産の大豆ミートのハンバーグを使った、ダイエット・ハンバーガーだ。パンも、県産の
更に、ポテトのジャガイモも県産。野菜ジュースの材料の、リンゴ、ニンジン、トマトも県産にして
こうしたこだわりがウケたのか、
キッチンカーのメニューの隣に、『アルバイト
取りあえず、キッチンカーの中で面接をすることにした。だがその応募者を見て、
「ふうん、君、
大翔君は、
「いや、あんたが作るハンバーガーが、
「そう、ありがとう。で、十六歳なんだ、高校一年生なんだ?」
「はい……」
十六歳にしては、たくましい顔つきをしているな、と思いながらも私は聞いてみた。
「ってことは今は夏休みだから、夏休みの間だけアルバイトをしたいっていうことかな?」
大翔君は斜め前方を見上げて頭をポリポリと、かきながら答えた。
「いや、出来れば、ずっと働きたいと思っています。それは……」
「それは?」
大翔君は私の顔を真っすぐに見つめて、答えた。
「あんたの左手の
私は、右手で傷を
「ええ、そうね。それが何か?」
「俺、その傷を見た時に、押さえ切れない感情が
私はそれを見て、思わず叫んでしまった。
「え? そのクセ、
大翔君はポカンとした表情で、聞いてきた。
「え? 颯真? 生まれ変わり? 一体、何のこと?」
私は、
「ちょっと話が長くなるけど、聞いてね。十七年前……」
完結
【改良版】十七年前の夏休み 久坂裕介 @cbrate
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