第二話
「俺が死んだ時、そこの死神のレストって奴が現れて言ったんだ。俺は死んだから、
「あんたの『心残り』って何よ?」
颯真の幽霊は、情けないが必死の表情で
「それは
「え? だから、何で私も死ななきゃならないのよ!」
「それは俺一人で霊界とやらに行くのが、怖いからだ! だから頼む希星! お前も死んで、俺と一緒に霊界とやらに行ってくれーー!」
それを聞いてマジギレした私は、「だーかーらー、ふざけんなって言ってるでしょうーー!」と再び颯真の幽霊の顔面に、右ストレートを
そして、言い放った。
「とにかく私は死ぬ気なんて、これっぽっちもないから! さっさと出て行けーー!」
レストは、やれやれという表情をして颯真の幽霊を説得した。
「颯真さん、やはり希星さんは死んでいただけないようです。今夜は
「え? それじゃあ、俺一人で霊界とやらに行くの? やだよー! 怖いよー! 希星、頼むから死んでくれよーー!」
レストは、「それでは今夜は、これで失礼いたします。お
変な疲れ方をした私は、そのままベットに入り深い眠りに落ちた。
●
次に日の朝。起きるとやはり、変な疲れが残っているような気がした。それでも、トーストパンとハムエッグと牛乳の朝食をすませると、学校へ行った。
私は地元の県立高校の普通科に入学して、料理研究部に入部した。理由は食べることが大好きで、自分でも料理をしてみたいと思ったからだ。
そして最近は、
またグルテンフリーでビタミンやミネラル、
それで私は、大豆ミートを使ったハンバーグを作ることに熱中していた。現在、大豆ミートを使ったハンバーグもスーパー等で売られている。しかしやはり、自分好みのハンバーグを作りたいと思っているからだ。
私が『調理実習室』に入ると
「おはよう、優里奈」
「おはよう、希星ちゃん。あれ? 今朝は何か、疲れていない?」
私は、ため息をついて答えた。
「うん、疲れているっていうか、変なものに
優里奈は、心配そうな表情で聞いてきた。
「え? 憑かれている? 何それ? 大丈夫なの?」
私は、から元気を出した。
「うん、まあね……。でも大丈夫! さあ、今日もがんばって、大豆ミートを使ったハンバーグを作るぞーー!」
「ねえ、本当に大丈夫?……」
●
部活が終わった私は、家に帰りリビングで昼食を一人で食べた。両親は共働きで、私は一人っ子だからだ。二階の自分の部屋へ行くと、今日の分の夏休みの宿題をやった。
そして夕食後、大豆ミートの作り方の本を読んだ。三十分くらい読んで少し疲れたのでユーチューブで、
すると颯真の幽霊が、『すぅ』と現れた。そして、やはり叫んだ。
「希星ーー! 今日こそ、今日こそ死んでくれーー! そして一緒に霊界へ行こうよーー!」
私は、あきれて答えた。
「だから私は、死ぬ気は無いって言っているでしょう?」
「そんなこと言うなよーー! 死んでから三十日経つと、『心残り』があっても強制的に霊界に連れていかれるんだよーー!」
「いいんじゃない? それで?」
「もう、そんな冷たいことを言うなよーー!」
そんなやり取りをしていると、またしてもレストが現れて、颯真の幽霊と共に『すぅ』と消えていった。
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