【改良版】十七年前の夏休み
久坂裕介
第一話
「
キレた私は、「何、言ってんのよ颯真! ふざけんな、バカーー!」と颯真の幽霊の顔面に、右ストレートを
●
話は三十分前に、さかのぼる。私は夏休みの初日の夜、なかなか寝付けないでいた。しょうがないので、ベットから
起きてはみたものの高校一年生が行うべき、夏休みの宿題の初日分は終わっている。友達の
さて、どうしようか? と考えていると目の前にいきなり『すぅ』と誰かが現れた。
髪はオールバックで
「初めまして。私はレストと申します。死神です……」
「え? し、死神?!」
「はい……」
でも私はレストの言葉を、すぐに信じてしまった。目の前にいきなり『すぅ』と現れたし、床から二十センチほど浮いているし、深い
私は疑問を、聞いてみた。
「あ、あの、その死神さんが私に何か、用ですか?」
「はい、その前に一つ確認したいことがあります……」
「はい、何でしょうか?」
「あなたは
「はい、そうですが……」
するとレストは満足そうに
「実は会っていただきたい方が、いるのです……」
「会っていただきたい方?」
「はい……」とレストが答えると同時に、レストの後ろから男の子が、ひょっこりと顔を出した。それは
私は、
「な、そ、颯真! あんた、死んだんじゃなかったの?!」
颯真は
「あはは、俺、
「え? 化けて出てきたって、あんた幽霊なの?!」
「ああ、そうなんだ。へへへ……」
●
私は
ホームルームが終わると、
「あいつ、バカだと思っていたけど、まさかこんな死に方をするとは……」
「本当ね。最後までバカだったわね、あいつ……」
●
そして現在。颯真の幽霊は突然、叫んだ。
「希星! 頼むから、お前も死んでくれ~!」
キレた私は、「何、言ってんのよ颯真! ふざけんなバカーー!」と颯真の幽霊の顔面に、右ストレートを叩き込んだ。
そして、当然の疑問を聞いた。
「私も死んでくれって、一体どういうことよ?!」
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