第13話

俺はメールを見て固まっていると天口さんから電話がかかってくる。


「なんですか?」


『ははは!やっぱりエロシーンでやり直しをくらったか!』


天口さんは電話の向こうですごく笑っている。


「楽しそうですね」


『他人の不幸は蜜の味だからな!』


この人性格悪っ!


『まあ、茶番はここまでにして、本題に入るぞ。どうやってエロシーンを完成させる?』


「どうやってって言われても…」


『私が言葉通り一肌脱ぐのは最終手段としてだ』


「それはマジでやるんですか?!」


『ああ。作品の為だ。決して久司とシてみたいとかそうゆうことじゃないぞ!』


「天口さん、作品の為なら自分の身体を犠牲にできるなんて…すごいですね!」


俺がそう言うと『久司、お前は鈍感だな』とあきれられる。


『まあいい。で、何か思いついたか?』


俺は「エロいものを片っ端から見ていくなんてどうですかね?」と提案すると『それはあれか?DVDのレンタルショップのR18に置かれてるやつも含むのか?』と聞いてきたので「はい、そうですけど」と答えると電話の向こうから「ドンッ!」と大きな音が聞こえる。


『ダメだ』


「名案だと思うんですが…」


『ダメと言ったらダメだ』


俺の名案は却下されてしまった。


いいと思ったんだけどな。


そう思っていると天口さんが『他のアイディアはないか?』と聞いてくる。


他のアイディアねぇ…。


俺が考えていると『ははは!やっぱり私が言葉通り一肌脱ぐか?』と言ってくる。


俺は茶化してみることに。


「ほんとにいいんですか?」


『え?』


「<自主規制>なプレイさせますよ?」


『~~~~~~~!』


天口さんは声にならないような声を上げる。


すると天口さんが『ほ、本番もそ、それに含むのか?』と恥ずかしそうに聞く。


「でなきゃかけないでしょ?何言ってるんですか?」


俺が答えるとまた天口さんが声にならないような声を上げる。


そして『い、いい案が思いついたらやる前に電話しろ!いいな!』と言って通話を終える。


俺は何かいい案がないか考えているとまゆとゆながテーブルに包丁を突き刺す。


「どうしたんだ2人とも」


俺が聞くとまゆとゆなが目のハイライトを消して


「<自主規制>のことを誰とするの?」「お兄、浮気?」


と低い声で聞いてきたので俺は天口さんとの会話の内容を教える。


すると2人が

「私、天口さんと話したいな」「お兄、天口さんをここに呼んで」

と言う。感情のこもっていない声で。


とりあえず断ると何かされそうなので天口さんを呼び出す。


そして天口さんが来ると


「「ようこそ!人の男に色目使う女!」」


にこやかな笑顔で2人が言い放つ。


すると天口さんの額に青筋が浮かび上がる。


そして俺は頭を抱える。

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