第10話

俺は今混乱している。


そりゃ、朝起きたら両手両足が拘束されてるんだもの。


しかたない。


そんなことを思っていると「おはよう。お兄」とゆなが俺の顔を覗き込みながら言う。


「ゆな、なんで俺が拘束されてるんだよ?」


「お兄、自覚ないんだ」


ゆながそう言うとまゆが部屋に入ってきて「私たちに隠し事してない?」と聞いてくる。


俺は昨日のことか…とすぐにわかった。


「で?何か私たちに言うことない?」


「えっと、2人ともプライバシーって知ってるか?」


俺は続ける。


「例えば俺がお前たちに『トイレ今日何回入った?』とか『大、小どっち?』とか聞かれたらいやだろ?」


俺は「言えないだろ?拘束を解いてくれ」と言おうとしたらまゆは「今日はまだ1回。小」、ゆなは「2回、小と大」と平然と答える。


そして「私たちは話した。次はお兄の番」とゆなが言う。


「なんでお前ら平然と言えるんだよ…」


「久司さんにだけだよ?」「お兄だけ」


はい。俺の負けです。


俺は昨日の会話の内容を2人に話す。


話し終えると俺は「拘束を解いてくれ」と2人に言う。


すると「いいよ。でも、そのかわり、電話する時はスピーカーモードにしてね?」とまゆが言う。


俺は「さすがにそれはダメだ。仕事の内容が筒漏れになる」と答える。


「そっか。それじゃあ拘束したままかな?」


「仕事ができないだろ!?」


「ならさ、もう隠し事しない?」


まゆがそう言うので俺は頷く。


するとまゆは自分の指に針を刺して血を出す。


それを俺の口元に近づけて「舐めて?」と言ったので舐める。


ゆなも同じようなことをする。


「これで契約は完了だね。次隠し事したら…」


「わかった」


俺がそう言うと「じゃあ、ご飯温め直すね♪」と言って俺の部屋を出ていく。


ちなみにゆなが拘束を解いてくれた。


俺は今日から隠し事をしないことを心に誓った。


朝ご飯を食べているとまゆが「久司さん、今日はどこかに行く予定は?」と聞いてくる。


「駅前かな」


「またアイディア出し?」


「うん」


俺が言うとまゆが「いいけど、私も行くからね?」と言うとゆなが「私も行く。大学休みだし」と言う。


というわけで行く準備。


服装はまゆはこの前と同様、地雷系の服。


ゆなも地雷系の服だった。


アイディア出し兼デートスタート。


冬休みということもあってか人がいつもより多い。


駅前を歩いていると、サンタのコスプレをして看板を持っている2人の女性がいた。

持っている看板には「コスプレカフェ!サンタフェア開催中!」と書かれていた。


見ているとまゆが「これに入りたいの?」と聞いてくる。


「気にならないか?」


「全然。私がしてあげるよ」


まゆが言うとゆなは頷く。


「じゃあ、コスプレの服を買いに行くぞ」


俺がそう言うと


「いいよ♪」「わかった」


2人から許可が出た。よかった。


というわけでやってきました。コスプレ専門店。


2人は俺に聞きながら服を選び、試着する。


買ったのはメイド、制服。


2人とも似合ってたのは言うまでもない。


店を出るとゆなが「次、どこに行く?」と聞いてきたので「エロゲ専門店」と答えると俺の腕を握る力が強くなる。


「なんで?」


「研究のため。この仕事やるのは初めてなんだ」


俺がそう言うが2人は


「だめだよ」「お兄、それだけはダメ」


2人からそう言われた。


なので「喫茶店に行ってアイディアを整理してもいいか?そしてついでに昼飯食べるか」と提案する。


「いいよ♪」「お兄、おけ」


2人から許可が出たので喫茶店に向かう。


そこで俺はサンドウィッチとコーヒー、まゆとゆなはパンケーキとぶどうジュースを頼んだ。


俺は頼んだものが来るまでキャラ設定とシナリオのアイディアをパソコンで整理する。


整理しているとまゆが「なんでスマホでやらないの?」と聞いてきたので「スマホだ

と見ながら書きずらいから」と答えると「そうなんだ」と言って納得する。


すると頼んだものが来たので食べる。


レタスを食べるとき「シャキッ!」と音が鳴ったのに驚いた。あれはCMの中だけかと思っていたからほんとに驚いた。


2人を見るとパンケーキをおいしそうに食べていた。


食べ終わるとまゆが「次どこに行く?」と聞いてくる。


「2人はどこに行きたい?」


俺が聞くとまゆとゆなは


「私は久司さんの行きたいところ!」「右に同じく」


と答える。


「なら、帰っていいか?早く書きたくてな」


俺が言うと2人は頷いた。





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