第9話

2人が風呂に入りに行ったあと、天口さんが電話がかかってきた。


「どうしたんです?」


『久司、単刀直入に言う。エロゲのシナリオの仕事が来た』


「俺、小説家ですよ?」


『今の時代、小説家もエロゲのシナリオを書くんだよ!』


俺は初めて聞いた。


「経験ないのでエッチなシーンは書けないと思いますけど…」


俺がそう言うと天口さんが『なら、私を抱け。そうしたらかけるだろ?』と爆弾発言をする。


「何を言ってるんですか?!」


『安心しろ。きちんと喘いでやる』


「マジで何言ってるんですか?!」


『もちろん自慰行為も久司の前でやってやる。喘ぎ声付きで』


「人の話聞いてます?!」


『なんだ?もしかして私の裸の写真も送れと?わかった。しょうがないな』


「何言ってんだ?!俺が捕まる!」


『安心しろ。未成年じゃないから捕まらん』


「わかりました!やります!頑張ります!」


俺が言うと『初めからそう言え。まあ、ダメだった場合、私とホテル行きだがな』と言ったあと『詳細はメールで送信済みだ。ではな』と言って通話を終える。


すると背後から「そんな大きな声出して誰と通話してたの?」とまゆが聞いてくる。


ゆなも「お兄、誰から?」と聞いてくる。


「お前ら2人わかってるだろ?天口さんだよ」


「「ふーん。それで?」」


2人は会話の内容を求めてるようだが、言えない。

内容が内容なだけに言えない。


なので「仕事の話だ」と答えておく。


2人は納得していない様子だった。


2人が寝た後、俺はメールを読む。


書かれていた内容は”久司久司先生の好きに書いてくれ”と言うものだった。


締め切りは年明けの1月4日。


今は12月中旬。


鬼畜すぎやしないか?


まあいいや。


やるだけやってみるか。


俺はそう思いパソコンのキーボードを叩く。


だが、どれも自分の中で没になってばかり。


俺は「今日はだめだな」と思い俺の部屋に行くとまゆとゆなが仲良く寝ていた。


俺はそっとドアを閉めて寝ようとするとゆなが目をこすりながら起きる。


「お兄?何してるの?」


「寝に来たんだよ」


「私、トイレに行ってくる」


「おう。行ってこい」


俺がそう言うがゆなは俺の顔を見つめて動かない。

しばらくすると泣きそうな顔で「お兄…、漏れちゃう…」と言う。


俺はその時納得する。トイレに着いてきてほしいのだと。


俺はゆなと急いでトイレに行く。


トイレの中から「はふぅ」と声が聞こえた。


どうやら間に合ったようだ。


その後は俺の部屋で寝る。


そして朝起きると俺は両手両足を手錠で拘束されていた。









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