第3話

アパートに帰ると俺はエナジードリンクを冷蔵庫に入れていく。


久山さんは菓子パンを戸棚に入れていく。


それが終わると俺は風呂に入りに行く。


「どこに行くの?」


「風呂場」


「え?備え付けなの?」


「そうだけど…」


俺が答えると「好きな時間に入れる!」と喜んでいた。


「じゃあ、俺は風呂に入ってくるから。あっ、テレビでも見てて。パソコンには触れるなよ?着信音が聞こえても無視で頼む」


「わかった!」


と言うと久山さんはソファーに座るとテレビの電源をつける。


俺がシャワーを浴び終わると「2回可愛らしい着信音と3回ラスボスのような着信音が聞こえた!」と教えてくれた。


俺は「サンキュ!」と言って久山さんの頭を撫でると嬉しそうにする。


俺はまず担当の天口さんに電話をかける。


「なんですか?」


『進捗状況は?』


「今からまとめます!」


『わかった!』


と言うと通話を終える。


次に妹に電話をかける。


「どうした?」


『お兄、家事しに行こうか?』


そう妹が言うと聞こえていたのか久山さんが俺の所にきて”断ってください。私がいます”と書かれた紙を渡してくる。


「いや、いいよ。単位落とさないように勉強しな?」


『お兄が言うならいいけど。風邪ひかないでね!それじゃあ!』


と言うと電話が切れる。


すると久山さんの目のハイライトを消して


「女性の声が聞こえたけど、どうゆう関係なの?」


と俺の事を問い詰める。


「妹と担当の天口さんだよ」


「担当?何それ?」

「俺、実はライトノベル作家なんだよ。その誤字脱字とか、面白いか面白くないか判断する人のこと」


俺が答えると目のハイライトが戻り、「よかった!」と言って安心する。


俺はその後、戸棚から菓子パンを適当に取って小説を書きながら食べる。


小説を書いていると肩を叩かれる。


「久山さん、どうした?」


「あの、”まゆ”と呼んで欲しいな?」


俺はまともに女の人の下の名前を呼んだことがないので「ま、まゆ、どうした?」と緊張のせいか声が上ずる。


「お風呂の使い方教えて欲しいなと…」


「ごめん!失念してた!今から教える」


俺は懇切丁寧に使い方を教える。


教え終わると「試しにやってみてもいい?」とまゆが聞いてきたので許可すると服を脱いで下着姿になるとシャワーを身体にかける。


すると下着がお湯で濡れて胸の突起などの女性特有のものがくっきりと現れる。


俺は咄嗟に目を逸らす。


それに気が付いたまゆは俺に近づいて「久司さん、なんで目を逸らすの?」と聞く。


「下着が肌に張り付いて見えちゃいけないものが見えてるから!」


俺がそう答えるとまゆは自分の惨状を見ると寂しそうな表情で「あ〜、別にいいよ?逆に好きな人から目を逸らされると私は辛いな。なんか、「お前なんか見たくない」って言われてるような気がして」と言う。


「見ても「この変態!」って言って殴ってくるなよ?」


「うん」


俺はまゆの身体を改めて見る。


濡れて下着が肌にくっつき2つのぽっちの形がくっきりと写し出されている。


下はショーツが張り付き女の秘部のある部分の形もくっきりとわかる。


「ど、どうかな?久司さんの好み?」


「眼福です!ありがとうございました!」


俺はそう言って頭を下げるとまゆは濡れた下着を俺の目の前で脱いで洗濯カゴに入れる。


「どう?私の全裸!」


「最高っす」


「えへへ!じゃあ入ってくるね!」


まゆが風呂に入ってる時に俺は小説を書く。


しばらくするとだぼだぼの白色のTシャツを着たまゆがリビングに来ると俺の目に来て「頭拭いて!」と俺に頼む。


俺は慣れた手つきで髪を拭いていく。


まゆはそれに気が付いたのか「ねぇ、女の髪拭いたことでもあるの?」と低い声で聞いてくる。


「妹が小さい時にな」


俺がそう答えるとまゆは「なーんだ!そーゆうことか!」と明るい声で言う。


そして時刻は明日になる頃、まゆは欠伸をし始める。


「そろそろまゆは寝るか?」


「うん…」


「なら客間に布団を敷くから待っててくれ」


俺はそう言って客間に布団を敷きに行こうとすると俺の服を掴んで無言で何かを訴える。

「どうした?」


「私、久司さんの部屋で寝たい…」


俺は自分の部屋にまゆを連れて行く。


寝る時に「久司さんは寝ないの?」と聞いてきたので「まだ寝ないさ。おやすみ、まゆ」と俺が言うと「うん、おやすみなさい」と言うと疲れていたのかすぐに寝てしまう。


俺はそれを見ると冷蔵庫の中からエナジードリンクを取り出して小説を書く。


時刻は午前3時を回った頃、俺はエナジードリンク2本目を飲もうと立ち上がるとリ

ビングの扉をまゆが勢いよく開ける。


俺が「どうした?」と声をかける。


「トイレに行きたくなって起きたら久司さんがいなくてそれで…」


「安心しろよ。見捨てたりしないからさ」


俺はそう言ってまゆの頭を優しく撫でる。


まゆはその後、トイレに行ってそのまま俺の部屋に戻って寝る。


俺は小説を書くのを再開する。


しばらく書いていると「チュンチュン」と鳥のさえずりが聞こえてくる。


俺はコーヒーを入れてベランダに設置してある椅子に座って景色を見ながらコーヒーを飲む。


ちなみに、俺にはこだわりがあってベランダで飲むのはコーヒーと決めている。


ゆったりとしていると「おはよぉー」と声が聞こえてくる。


「おはよう、まゆ」


「久司さんは寝たの?」


「まだ3日だ。まだまだいける」


「ちょっ!寝ないと!」


「朝コーヒーしたから大丈夫」


俺はそんなことを言いながらベランダから室内に戻り、執筆を再開する。


しばらくすると眠くなってきたので冷蔵庫にエナジードリンクを取りに行こうとする

とまゆに腕を掴まれて俺の部屋に連行される。


「寝なさい!」


「あれを飲めば大丈夫…」


「私が隣で添い寝してあげるから!」


「このベッドシングル…」


「なら隣で見ててあげるから!」


「でもな、小説を完成「いいから寝なさい!」」


結局俺はまゆに押し切られる形で寝ることになった。


枕からは女の子特有のいい匂いがした。




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