第2話
ライトノベル作家としてデビューして約5年後。
俺は1人、マンションに住んでいる
タワマンとか金額的、物理的に高い所ではない。
家族連れが暮らしている普通のマンションである。
いま、俺はカタカタとキーボードを叩いてライトノベルを書いている。
ジャンルは異世界もの+ラブコメである。
だが、担当編集者さんの
ちなみに昨日で5回目。
キーボードを叩いていると「ギュルル~」と俺の腹が鳴る。
俺は冷蔵庫を見に行くが何も入っていなかったので休憩がてら買い物に行くことに。
季節は秋から冬に移り変わる時期なので暗くなるのが早く、しかも寒い。
俺はウインドブレーカーを着て来てよかったと感じた。
スーパーでエナジードリンク、菓子パン、冷凍食品などを無心でかごに入れて会計に持って行く。
その時に「レジ袋ください!」と書かれたカードをかごに入れることを忘れない。
10円取られるが店員が買った物を入れてくれるので払うことにしている。
そして俺はスーパーを出る。
俺はいつもならすぐにマンションに帰るが、アイデア探しという名目で遠回りをする。
しばらく歩いていると日ごろの運動不足のせいか脚がこむら返りを起こしそうになっているので近くの公園のベンチに座って買ったばかりのエナジードリンクを飲みながら休憩する。
買ったばかりのエナジードリンクは冷たく、熱くなった体を内側から冷やしていく。
休憩しているとガラガラと大きなキャリーケースを持っている女の人が俺の座っているベンチの前を横切り、アスレチックコーナーに向かうと一際大きい鉄棒の前で止まる。そしてキャリーケースを開けて縄を取り出すとその蓋を閉じてその上に乗り縄を括り付ける。
俺は「この女、自殺するつもりだ!」と思い、「馬鹿な真似はやめろ!」と言いながら走って女性のもとに行き、右腕を掴む。
「離してください!邪魔しないで!」
「離すもんか!ここで死なれたら(この公園がいわくつきになるから)俺が困るんだよ!」
「そうなんですか?」
「ああ!そうだよ!」
俺が言うとその女の子は縄を鉄棒から外し、キャリーケースの中に入れる。
俺はそれを確認すると「もう自殺するとか考えんなよ?」と言って荷物を持って帰ろうとするが女の子に服を掴んで「す、少し話しませんか?」と上目遣いで頼んでくる。
俺は「少しだけな」と言ってベンチに座り直し、2本目のエナジードリンクの蓋を開けようと…
「ダメ!体に悪いから!」
「そう言われても…」
俺がそう言うと女の子は「お茶買ってきます!2人分!」と言っていなくなる。
数分後、「お待たせしました!」と言って缶のお茶を買ってきた。
俺は受け取ると女の子は俺の隣に座る。
「私は
「俺は
俺は名前を言うと続けて
「なんでやめたんだ?卒業したら大卒という称号がもらえるのに」
久山さんに質問すると、久山さんは悲しげな表情をする。
「私、大学で付き合っている彼氏がいて、その彼氏が2股してたの。そして詰め寄ったら『お前のこと初めから好きでもなかったし。うざいから消えてくれ』って言われたからその日は学校に行きたくなくて帰ったんだ。次の日に大学に行くと友達全員が私の見おぼえない写真を私に見せて『あなた最低ね』、『近寄らないで!』とか言われて居場所がなくなったんだ。だから大学をやめて死のうとしたんだ」
「両親には相談したか?」
「私、孤児だよ?」
「まじで?」
「うん。マジ」
そう答えるとラスボスにぴったりな着信音が鳴ったので「少し席外す」と言って電話に出る。
「進んでるか?」
「今、アイデア探しの旅に出てまして…」
「そうか!では!」
と言うと電話が切れる。
戻ると「誰から?」と聞いてきたので「仕事関係の人から。もう遅いから帰った方
が良いんじゃないか?」俺は久山さんに提案するが「帰るアパートも解約したんだ」と答える。
ふむ。
どうしようか?
俺が考えてると「久司さん!なんですか?!このエナジードリンクの量!」と聞いてくる。
「ああ、明日からの分だ。気にすんな」
「気にするよ!これから一緒にすむんだし」
「は?何言ってんだ?未成年と暮らしたら一発アウト!」
「久司さんこそ何言ってるの?私は二十歳だよ?」
「だとしても!会ってすぐの人と暮らせるか!」
俺がそう言うと久山さんはぽろぽろと涙を溢して「久司さんも私のこと捨てるの?」と言ってくる。
「捨てる捨てない以前に普通に考えてみろよ?」
「考えたもん!」
「どこが!」
「私、久司さんのこと好きだもん!」
久山さんが涙を流しながらそんなことを恥ずかしげもなく大声で言う。
俺は何言ってもだめだなと思い、「もういいよ、その代わり、俺の言うこと聞けよ?」と俺が言うと「うん!久司さんのお願いは何でも聞いちゃうよ!」と言って俺の近くに来る。
そうして俺は久山さんと帰路につく。
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