その他の作中用語・は行~わ行
・パイロットスーツ【道具】
機甲歩兵を含めた前線部隊兵士が着込む薄いインナー。マキナの機動から身体機能を補助する目的で開発されたためパイロットスーツと呼ばれるが、その柔軟な補助性能から歩兵部隊等へも配備が進められ、軍の一般的な装備として扱われた。補助能力自体はそこまで大きくないが極僅かなエネルギーで動作が可能であり、初期型は稼働限界があったものの、まもなく導入された空間中エーテルを吸着して微量のエネルギーを生成する技術が導入されたことで、制限が撤廃されて運用範囲を広げている。
・白色騎士団【組織】
ユライア王国における王家直属騎士団の1つ。本隊と複数の偵察隊からなり、貴族家私兵隊から志願した騎士が所属する。なお、各部隊の指揮官は、基本的に武勇に優れる騎士が選抜され、騎士団長により任命されるが、より上位の貴族による指名や王家からの勅命によって配属される場合もある。
主な活動は西側国境地帯における有事対応だが、同地域及び王都ユライアシティにおける治安維持の一部も担当している。
・伯爵【地位・役職】
貴族の爵位であり、一般的には侯爵の下位、子爵の上位に位置する。現代文明では高位貴族として捉えられることが多く、広大な土地や複数の都市を領有する者から、領地を持たず大臣職として振る舞う宮中伯など、国家や時勢によって立場や役割は様々。特にカサドール帝国においては、その国土の広さに対して伯爵家も多数が存在する。一方、国土の狭いユライア王国においては王族に最も近い貴族とされ、チェサピーク家とジェソップ家のみがその位格を持つ。また、下位の貴族を集めて派閥を形成し、領地の運営を委任していた。
・バックサイドサークル【組織】
国家に属さない流浪民族の移動集落。各地に存在しており一律にバックサイドサークルと呼ばれるが、それぞれが独自の文化を持っており共通点は少なく、バックサイドサークル間の連携はないに等しい。人間中心の社会ではあるものの、国家と違ってキメラリアに対する差別は比較的薄い。主な産業は牧畜だが、ほとんどの場合は外貨獲得手段として交易が盛ん。また、都市の市場では扱えない禁制品なども取引可能であることから、闇市と呼ばれることも多い。国境や地域を無視して移動するため、一部の国家では違法存在として扱われているものの、多くの場合は国家に属する隊商との繋がりが深く、独自文化の生み出す製品は都市国家にない重要な交易品として扱われており、国家の経済に対する影響力によって黙認されていることが多い。同時にコレクタユニオンとは往々にして良好な関係を築いており、民族としては貿易と生産に従事する一方、防衛をコレクタユニオンに依頼しているケースも少なくない。
・ピルクパイ【料理】
ピルクをふんだんに使って作られたパイ。スィノニームでは有名な高級菓子であり、司書の谷でも僅かに作られている一方、腐敗の早いピルクを用いるためその他地域で流通していることは稀。値段は完全な時価であり、収穫期以外に庶民が口にすることは非常に難しい。
・フリーピッカー【地位・役職】
コレクタユニオンに所属する中で、単独で活動するコレクタを示す言葉。ほとんどの場合、何らかの理由によって集団への所属が困難な者が位置する立場であり、社会全体からの信頼度は冒険者や放浪者程度と低い。特に単独での達成が困難である依頼を多く抱えるコレクタユニオンにおいては、仕事をこなせないお荷物という扱いを受けやすく、比較的難度が低く報酬も相応に低い依頼のみが斡旋対象とされる。そのため、活動資金の確保はおろか生活すらままならないことが多く、長期的に続けていられる者は僅かであり、周囲からは失職寸前と見られることが大半。ただ、極めて稀な例として、集団行動には不向きながら単独による依頼遂行能力が高い者も見られ、こちらはコレクタユニオンから組織コレクタ並みの待遇を受けられている。
・ブレインワーカー【地位・役職】
コレクタとして活動する者の中で、主に知識労働を行う存在を指す言葉。遺跡の調査や遺物の回収などを多く行う組織コレクタには、必ず1人以上が同行している。一方、戦士よりも貴重な人員であることから、集団コレクタの場合は人材を確保することは難しく、仕事内容に合わせて他に所属している者を借りる形で、一時的に契約を結ぶ場合も多い。一定の功績が認められると、コレクタ研究員としてスカウトされることもあり、多くの者はそれを目標として活動している。
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雪石製薬によって実施されたホムンクルス秘密研究実験の第1段階。エーテル汚染地域における人類の遺伝子変異と超能力発現の関連研究を昇華させ、人為的に超能力の制御が可能な人間を生成することを目的としていた。同時に、合成された優秀な遺伝子を元として、母体を用いない人間の発生に関する実証実験も行われている。発案及び研究主任はメヌリス・リッゲンバッハ。実施は雪石製薬地下研究所。
ベースとなる遺伝子の候補は複数存在したが、研究主任であるメヌリスの判断によって、マキナシステム開発の天才と呼ばれた自身の子であるストリの遺伝子をベースとして研究が開始。超能力を発現していると思われる変異遺伝子の他、様々な面において高い能力を持ち、かつ適合性が認められた人物の遺伝子が合成した結果、人工子宮を用いてポラリスを誕生させている。
半ば偶然ではあったものの、初回の実験で生まれたポラリスが、乳児時点で非常に高いポテンシャルを誇ることが確認されたことで、雪石製薬及び企業連合軍部から強力な生体兵器として注目され、研究予算が大幅に拡大。次段階である妖精計画へと引き継がれた。
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星の子計画を引き継ぐ形で開始された雪石製薬のホムンクルス秘密研究実験の第2段階。更なる遺伝子改良を施した新型ホムンクルスの発展性と、兵器としての量産化の可能性を検証することを目的としていた。研究主任は引き続きメヌリス・リッゲンバッハが務めたものの、精神状態が不安定であったことから、実質的には副主任を務めた藤堂がプロジェクトを指揮していた。実施は雪石製薬地下研究所。
新たなホムンクルスの生成にはポラリスの遺伝子がベースとされ、成長速度や超能力制御能力などの面で有益となるであろう遺伝子改良が施された個体、計7体が増強された人工子宮によって生産された。しかし、内3体は人工子宮内で突如身体に原因不明の変異を引き起こして死亡。残り4体の内3体は、乳児期の時点でポラリスよりも高い超能力制御能力を発揮したが、間もなく謎の休眠現象を引き起こして保護装置に入れられ、蘇生が試みられたものの全員が死亡した。これらの失敗には、研究主任であるメヌリスの脱落が大きく影響していると考えられている。
なお、残された1体は問題なく成長を続けたものの、超能力を制御する遺伝子が見つからず、実際に超能力を発現することはなかった。しかし、唯一の生存体であったことから、ラナウン・シーという実験体名称を与えられた上でハイパースリープを施され、原因究明を目的に雪石製薬の研究本部へ移送することが決定されている。ただ、文明崩壊直後の混乱下だったことから、地上へ運び出して間もなく護衛を伴った移送班は消息を絶った。原因はエーテル変異生物による襲撃が有力視され、藤堂は回収作戦を具申したものの、雪石製薬地下研究所内には回収に当てられる戦力が残されておらず、止む無くラナウン・シーは廃棄が決定され、プロジェクト自体も頓挫している。
・文明崩壊【出来事】
神代文明の滅亡及びそれに伴う神代人の絶滅を意味する言葉。原因は複合的であるものの、その中心となったのはエーテルエネルギー産業の超拡大と戦争の長期化による汚染の拡大とされる。
事態を急激に進行させる引き金となった原因は、コルニッシュ・ボイントンが中心となって行っていたキメラリア研究の最中、ミクスチャが事故的に発生。研究所を破壊しながら移動した挙句、共和国の都市を壊滅させたことが挙げられる。更に、研究を後押ししていた共和国は事実を隠蔽し、ミクスチャを企業連合が放った生物兵器であったと喧伝して国民感情を焚きつけ、報復としての条約で禁止されていた兵器の使用を正当化した。これに企業連合が反撃を表明したことで、軌道レーザー砲やエーテル反応弾頭をはじめとした大量破壊兵器が各地へ降り注ぎ、地上の人工物や地形を徹底的に破壊すると同時に、兵器から拡散されたエーテルと発電所を始めとしたの産業の破壊によって、地表部における空間中のエーテルが高濃度化。あらゆる生命が急激な変異を見せると共に、天変地異の発生で環境も激変。防護服などを用いても神代人が生命活動を維持することは不可能となってしまい、人類は地下シェルターに退避したり生命保管システム等に保護された存在を除き、ほとんどがこの時点で失われた。その後、テクニカを中心として残存していた地下シェルター施設は、それぞれが独立した勢力に似た状態となり、可能ならばテクニカへの合流を測りつつ生存の方途を模索していたものの、カール・ローマン・リッゲンバッハによって送り込まれた自動兵器やマキナを暴走させるウイルスプログラムによって内部で動乱が発生し、ほとんどの勢力が1晩の内にほとんどが消滅。生き残ったのは、プログラムの受信に失敗していた一部の零細と、運よく暴走兵器の撃破に成功した僅かな勢力のみ。しかし、前者はそもそも大勢力に依存しない自活は不可能であり、後者も総合的な被害の大きさが地上文明無しに復旧不能なレベルに達していたことから、満足に連携も取れないまま、数年の内に動力の喪失や水食料資源の危機により消えていった。
・ベイロレル【信仰】
土着信仰において崇められる、戦いにおける勝利と栄誉を司る男神。元々の発祥はカサドール帝国領であるとされ、武人の間では人気が高い。特にベイロレル神話と呼ばれる物語は派手な戦いの描写が多いことから、演劇などでよく用いられる。ただ、その内容は単純かつ荒唐無稽であるとされ、知識層からはあまり人気がない。
・冒険者【地位・役職】
地域や都市において、掲示板に張り出される依頼遂行を生業としている人々を指す言葉。町の外に出かけて仕事に当たることが多いことからそう呼ばれる。コレクタと近しい立場ではあるものの、後ろ盾がないため放浪者に毛が生えた程度の存在に他ならず、素行の悪い者も少なくないことから社会的な信用は全くない。一方、掲示板の依頼は誰にでも解放されている依頼であるため、中には本職の合間に小銭を稼ごうと働く者や、コレクタとなることを目指して依頼をこなす者なども混ざっており、冒険者という定義は少々難しい。
・マキナ陸戦条約【条約】
マキナが戦場の主役となったことに伴い、休戦期に企業連合と共和国の間で制定された条約。条約が結ばれた場所の地名ではなく、マキナという新しい兵器の名前を条約名にそのまま利用している。機甲歩兵という新たな兵科に関する内容を中心に、マキナへ大量破壊兵器を搭載しないことなどが記されていた。
・ヤスミン【信仰】
土着信仰において崇められる、癒しを司る女神。農耕神としての側面も持つとされ、民衆においては最も人気が高い。大きな神殿等が建てられることは稀である一方、小さな祠は各地に多数存在する。また、女性名として使用されることも少なくない。
・ラヴァンドラ【信仰】
土着信仰において崇められる、海を司る女神。船乗りの守り手であるとされ、ベル地中海沿岸部で信仰が見られる。発祥もベル地中海近郊であると考えられており、外洋と接する地域での信仰は疎ら。
・ラジアータ【信仰】
土着信仰において崇められる、死後の世界及び死そのものを司る女神。神としての性質はほとんど語られておらず謎が多い。一般的には葬儀の際にその名が挙げられる他、ラジアータの下へ送るという脅し言葉として用いられる程度。埋葬方法には地域によって差があるものの、宗教施設は共通して墓地や納骨堂としての役割を持つため、最も神殿数の多い神でもある。
・
オン・ダ・ノーラ神国が保有するテイマー集団及びテイムドメイル部隊を指す言葉。5機のフクシヤで編成されており、武装はプラズマトーチのみ。隊長機には
・リベレイタ【地位・役職】
コレクタユニオンにおける戦闘専門職を指す言葉。コレクタユニオンに使役されているため立場はコレクタよりも下であり、一般的には身体能力に優れるキメラリアの就労先とされ、その多くがコレクタユニオンによって奴隷から解放されたキメラリアで構成される。ただ、種族に制限がある訳ではないので、人間やデミもリベレイタとして働くこと自体は可能。多くの場合、コレクタユニオンによって斡旋が行われてコレクタへ所属するが、コレクタがスカウトを行ってリベレイタとなる場合もある。
集団や組織コレクタの護衛が主な職務内容であり、野生動物やクラッカー等危険な存在との戦闘を要求され、場合によっては囮や殿を務めねばならないことから、その死傷率は一般的なコレクタよりも圧倒的に高い。特に奴隷上がりのキメラリアは、立場の弱さから使い捨てにされやすい傾向にある。また、依頼の成功報酬から賃金を支払う必要から、わざと切り捨ててコストを削減しようとする行為も見られる。なお、あらゆるコレクタにおいてリベレイタの雇用数に制限はない。
一方、能力を認められた者はコレクタユニオン支部直属の戦力として抱え込まれることもあり、支配人の私兵隊として編成されることも少なくない。それによって立場自体が変わるわけではないが、待遇は一般的なコレクタ所属の者との間に大きな差が生まれることが大半で、特に支配人から抜擢される程の優秀者などは、集団コレクタよりも裕福な生活を送る場合もある。
・リング・フラウ【道具】
ベル地中海におけるスィノニーム、ポロムル間に就航している大型快速船。造船はスィノニームで行われた。構造はほぼガレアス船に準拠しており、凪いだ海であるベル地中海を航走する前提で作られているため、舷側には多数のオールを持つ一方、帆走設備は最低限。自衛武装としては船首と舷側に数基のバリスタを備える。快速船と呼ばれる通り、現代における船舶の中では高速な部類に入るが、現代における最大級の船であることから小回りは効かない。
・ロズマリ【信仰】
土着信仰において崇められる、誠実と契約を司る男神。その性質から交易の神としての側面を持ち、特に隊商からの信仰が厚い。商人以外においても、約束事を行う際には誓いを立てる対象としてよく名前が挙げられる。
悠久の機甲歩兵・設定集 竹氏 @mr_take
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