私は、この作品、「はっきり言って」好きです。だって「哲学的」ですもの。よくある「異世界転生」で「チュートリアル」もばっちしの、「主人公の為の世界」って感じのファンタジー小説あるじゃないですか?
でも、実際、いや、まぁ、ファンタジーだから、実際ではないんですが、そんなことあり得ないですって!言語からして違うのが普通だし、コミュニケーションなんて取れないのが普通。与えられるのは「現実」の結果だけ。
そして「それが何か」を探す旅が始まる。それが人生だと思うんですよ。ってネタバレしちゃってますが、そうやって始まり、「1つずつ」自分の力を伸張させていく。まさに「人生」であり「哲学」をテーマにした最高のファンタジーだと私は思います!是非、読んでみてください。
「異世界転移」のタグをみて、「よくあるあれね? 女神からスキルもらって無双するやつ・・・」と思ったら大間違い。
本作の主人公は、現実世界からはじき出されて異世界にやってくる。
だがそこでも物理的に受け入れられず、いったん四散してしまう。
それを助けたのは「精霊」だった。と言っても助けてくれた精霊と言葉を交わすことはできず、なぜ精霊が自分を助けたかも分からない。
・・・という経緯を経たために、主人公には居場所がないような、誰にも受け入れられないような孤独感が漂っている。
しかも現世の記憶があまりなく、自身の名前すらあやふやだ。
そんな中、さまざまな精霊と契約を交わし、異世界を旅してゆく。
それはある意味、「人間性」を喪失しかけた主人公の自分探しの旅のようにも思える。
どことなく静謐な空気感の漂うファンタジー、ぜひのぞいてみてください。
異世界転移ものです。しかも残酷な転移です。
記憶はほぼなく、身体が消滅する憂き目に。それを助けたのは精霊でした。
主人公は半人半精となって、飛ばされた世界アシスで生きていくことになります。
主人公の存在意義とは?
精霊は己を犠牲にしてまで、なぜ主人公を助けたのか?何をさせたいのか?
アシスの隠された秘密を追い求め、半人半精の主人公は旅を続けます。
旅先で出会う仲間たち、新たな精霊、そしてもちろんバトルもあります。
タイトルにもある精霊のジレンマとはいったい?
謎がたくさん詰まっています。
一つ一つ解き明かされていく道程を一緒に楽しみましょう。