第41話 乙女たちを食い散らかす♥

「カカカカ、それじゃあ刹華~、オルタをよろしく~! さっ、カミラ、キスしようぜ」

「って、ちょっと待ちなさい! エッチしていいって言ったけど、今ここでスル気なのかい?!」

「は? こんなセクシーダイナマイトな体とエッチしていいと言われて我慢できる男はこの世にいねえ!」

「いやいや、ここは牢獄よ! せめて宿に戻ってからでしょ! つーか、私は初めてなんだから場所ぐらいちゃんとしたとこにしろっての!」

「何言ってんだ、エッチに重要なのは場所じゃねえ。誰とするかだ。お前に『場所なんて関係なく俺で良かった』って言わせてやるから安心しろ」

「ってをいいいい! だから、ち、乳いきなり揉むなぁ!」


 人目も場所も関係ない。

 英成は鉄格子越しに手を伸ばして、露出の多い服装のカミラの胸に手を伸ばす。

 アメリカンポルノ顔負けのボディに、英成は早くむしゃぶりつきたくて仕方がない。


「おとーさん、カミラのおっぱいさわってるー! おとーさんはおかーさんもセツカママもアクメルのおっぱいだけじゃなくて、カミラのおっぱいもすきー!」

「こ、こら、オルタ。見てはなりません。あなたにはまだ早いです。あと、英成くんも早すぎです!」


 オルタが面白そうに目を光らせているのを、刹華が頭を抱えながら両手でその目を塞ぐ。

 そして……


「まままま、待てええ、エイセイ! そ、それに、姫様も! ここ、こんなところで、し、しかも、え、エイセイ、姫様相手に、な、何をする!?」

「そこの男、姫様から離れなさい!」

「さ、さもなくば……」


 流石に姫であるカミラが目の前で男とエッチを始めようとするのを、見過ごせるわけがないと、アクメルと見張りの女騎士二人が慌てて止めに入ろうとする。


「だから、やめなさいっての! エッチはするけど、今すんな!」


 カミラもまた、ここではダメだと英成の手首を掴んで胸から離す。

 しかし、英成は鼻息荒く止まらない。


「ざけんなぁ! いつヤルか……今だろっ!」

「……英成くん。異世界だからって……もう、それはちょっと古いですよ?」

「うるせええ、いいから揉ませろ、吸わせろ、舐めさせろ、ヤラせろ~~~!」


 英成からすればこれほどのご馳走を前にお預けされるのは耐えられなかった。

 ゆえに、既に今日だけで刹華、レミ、ファソラ、アクメルと食しているにもかかわらず、もう腹を空かせた獣のようにカミラを食べようと檻の中から涎を垂らして目を血走らせている。



「ひ、姫様も考え直してください! こ、このような男に、姫様が穢されるなど……ぐっ、え、エイセイ! 姫様に手を出すのはやめろ! そ、そんなに……そんなにエッチなことをしたければ、ま、また我が相手をしてやる! だから、姫様に手を出すのは――――」


「って、団長まで何言ってるんですか! そんなのダメですよぉ!」


「むしろ、この男を今すぐ処刑した方がよいのでは?!」



 アクメルはもはや混乱で暴走発言する一方で、見張りの女騎士たちは腰元の剣を掴む。

 しかし、そんなことで英成は止まらず……



「うるせえ! アクメルとはカミラ関係なしにこれからもエッチするからどうでもいいわ! あと、さっきからそこの生娘騎士二人もうるせえぞ!」



 と、火に油を注ぐ発言。


「英成くん……」

「ちょ、エイセイ……ってか、アクメルまでかなりヤバイ発言よ?」

「そ、そうは申されましても……」


 色々とツッコミどころ満載な英成の発言だが、刹華は慣れ、カミラもアクメルも呆れながらも「仕方ないな~」という表情。

 だが、それを許さない者たちもいる。



「ふざ……ダメだ、やはり斬る!」


「団長も姫様も目を覚ましてください! 誇りを思い出してください!」



 それは見張りの女騎士二人。

 二人とも非の打ち所のない整った容姿に、アクメルほどではないが鍛えられて引き締まった体。

 たとえ男が相手であろうと一切屈する様子のない凛とした力強い瞳。

 二人とも英成と刹華より少し年上の二十歳前後と思われ……


「いま、私が貴様を斬るっ! 腐った男め!」

「ま、まて、レーズ」


 茶髪のショートボブの女騎士。その名もレーズ。

 

「団長、ダメですよ! 男なんか信用したらダメなんですよ! 汚らわしい……男なんてみんなクズよ!」

「ビ、ビアンヌまで……」


 ブロンドのポニーテイルのビアンヌ。

 二人の女騎士、レーズ。ビアンヌ。

 色々と混乱する事態だったり、マキナがいたりしたので英成も二人は眼中になかったのだが、よくよく見れば二人ともまごうことなき上玉であった。

 そして、アクメルと同様に二人して英成を見下し、さらには汚物を見るような目。

 さらにそれだけではなく……



「あ~ん? んだよ、テメエら……」



 英成はレーズ、ビアンヌの二人から「男」というものに対する拒否的な反応を感じ取った。

 そして……



「はは~ん……お前ら……」


「な、なんだ……」


「なによ……」



 イラついていた英成が一変してニタリと笑い……



「お前ら……好きなのは男じゃなくて……ソッチ系か?」


「「ッッ!?」」


「「「???」」」



 英成の言葉の意味が分からない刹華たちだったが、張本人であるレーズ、ビアンヌの二人は急に顔を赤くして、同時にギロリと英成を睨む。


「だまれ、汚らわしい男が私たちをそんな目で見るなぁ!」

「笑った……私たちを……許さない!」


 もう目の前の女騎士二人が「どういう二人」なのかが分かった瞬間、こういう憎まれ口すらも英成はかわいいと思ってニタニタ。

 そして……


「カカカカ、誇りだ何だと語っておいて、単純に男が怖くて苦手な……いや、もはやただの男嫌いの差別女どもか。つまんねーの」

「「ッッ!!??」」


 英成は火に油を注ぐ挑発。

 レーズ、ビアンヌの二人は更に怒り心頭。



「よーし、こうしよう、今から皆でどっかベッドのある部屋に行こうぜ? そこで俺にお前たちの身体をほんのちょっとだけ触らせてくれ」


「「は?」」


「安心しろ。別に本番エッチしようってわけじゃねえ。ちょっとした愛撫……コミュニケーションをするだけだ」



 そんな二人に英成は悪だくみを思い浮かび……



「ふ、ふざけ、な、なんで私たちがそんなことを……」


「少しの間だけだ。それでもお前らが俺に対して発情もせずに誇りを保てるようであれば……カミラとのエッチは諦める。アクメルとももうしねーし、さっきのマキナ姫? にも手ぇ出さねえよ」


「「ッッ!?」」



 それは二人にとってはあまりにもバカバカしい一方で、とても大きな話であった。

 自信満々に言う英成に怒りを覚えながらも、その出された条件があまりにも大きかった。



「わ、私たちを馬鹿にしているのか! 私とビアンヌが男なんぞに発情? バカにするな!」


「私たちは決して誇りは失わない! そんなバカげた勝負……だ、だけど……だけど本当? もし、私たちがちょっと耐えられただけで、あなたは姫様にも団長にももう手を出さないと誓えるの!」


「おー、約束だ♪」



 その瞬間、刹華は……


「あ~……なんと世間知らずな女騎士様たちでしょうか……」


 英成の力を誰よりも分かっているからこそ苦笑して、そして憐みの目。


「……や、やめろ……む、むりだ……たとえ男に興味が無かろうと……英成のアレに耐えられるはずがない」


 アクメルも顔を赤らめながらも、その身をもって英成のテクニックを味わったからこそ、この後の展開が容易に想像でき……


「……まじかぁ~」


 カミラもこの展開に呆然とし……




 結果的に宮殿傍の女騎士団の宿舎のアクメルの部屋に行った一同。




 レーズ、ビアンヌの二人は……数分もいらなかった……



「~~~~♥♥♥」


「こ、これが、お、おとこの人の♥♥♥」



 英成に瞬殺された。



 そして最後は―――――――

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