第三章 噂の人気受付幼女

第71話 何を選ぶ?●●一択でしょ!

「特にカタログの使用期限はないみたいだね。」


 カタログを確認すると、使用期限なしと記載されていた。



 ただし、唯一無二のものが存在した場合、早い者勝ちになるものはあるかもしれない。


 今回地域の主になるみたいな特典はマロンにしかないが、今後このような景品があった場合は複数人が領主になる……みたいな事が起きてはいけない。


 



「じゃぁ、とりあえず迷いの森の所有者になっておくね。ぽちっとな♪」



【迷いの森の幼女王(主)になりました。】


 すると、迷いの森全体マップがマロンの脳内に広がった。


 マップを確認すると、大体マロンの小屋が在る位置は中心付近である事がわかる。


「うわっ」


 

「どしたん。」


 マップの中で現在地にあたるこの小屋のところに青い印が三つ……これはマロンを含めた仲間を表している。


 そして小屋の外に緑の印が7つ……これはクマーズやテイムしたシンシア達を表している。


 小屋周辺にはほとんどないものの、黄色の印が無数に広がっていた。


「多分、青が仲間で緑がテイムした魔物で、黄色がNPCか中立な魔物だと思うんだけど……黄色が半端なく広がりまくりすてぃ。」


 赤は敵を示すのだと思っているマロンであるが、赤よりも圧倒的に黄色が多かった。


「まぁ当面は放っておいて良いんだろうけど。」




「あ、そうそう。もう蟠りもなくなった事だし、あのトレントを引き入れたいと思ってるんだよね。」


 マロンは第二次予選の時の事を話した。


 考えてみれば、最初の襲撃の時は何もわからない状況での出来事。


 性的行動についてはともかく、見知らぬものから身を守るために攻撃をする事自体は間違ってはいない。


「まぁ、復讐もしたし向こうから謝罪もしたなら、少なくとも敵対する必要もないだろうしね。」


 トリスは今後の事を見据えて考えを巡らせていた。


 いつか起こるだろうクラン同士の戦いや戦争イベントの事を。


 現状はバケモノ幼女3姉妹のように揶揄されているマロン達ではあるが、いつまでも俺TUEEEEEが出来るとは限らない。


 適材適所であったり得手不得手だったりがあるのが人間であるしプレイヤーなのだから、仲間はある程度いた方が良いのである。


 問題はマロンのマップに映っている黄色に部類するものがどういう扱いになるのかであるが、それは今考えても答えは出そうにない。


 知っているプレイヤーがいるのであれば、味方に引き入れるのは前向きであると判断出来た。


「私は交友関係がここにしかないので、お任せします。」


 アクアは仕方ないとはいえ、他に味方に引き入れられそうなプレイヤーは思いつかなかった。


 本戦で戦った飲酒王子なんかは、性格的には悪い人ではないと感じてはいたのだが。



「後の景品はじっくり考えるよ。スキルとか武器防具とか全然想像も出来ないし。」



「確かにね。数日考えてからでも良いかなとは思う。そういや、この小屋って拡張出来るのかな。柵とかはマロンが拡張して土地は広くなったような感じは受けるけど。」



「あ、なんかねー。家とかも作れるみたいだよ。材料があれば勝手に出来るタイプと、自分でも可能になるみたいだけど職人を用意して自分達で一から建設出来るタイプと。」



「家とかって事は他の建築物も出来るのね。」


 完全に【村をつくろう!】というマロンのスローライフが構成されつつあった。


 





 迷いの森の主になった事でマロンのステータスに表示される項目が増えていた。


 マナ数というものだ。これが何をするためのものなのか……


 の進化、木などの自然の強化や進化、魔物を召喚する際の媒体、


 そういえば、ボディコニアンも部類的には魔物だったなと思い出したマロンである。




「明日朝ラマン商会に行かなければならないし、あと少しプレイしたら一端寝るね。」



「ってとりあえず、カンストしてる職種についてだよね。」


 職種を変更しても、覚えたスキルなどは熟練度やレベルは据え置きで覚えたままとなる。


 第二職種は第一職種にセットしている時の8割の経験値・熟練値を取得出来る。


 これは第三職種を得た時には7割とか5割とかになるだろうなと想像する一同。


 マロンはテレトで最低でも第四職種までは存在する事を把握している。



 

「多分、ド〇クエの転職システムに近いものがあるんじゃないかと思うよ。ある上級職業は複数職をマスターしてる必要があるとかあるんだけど、多分そんな感じで。」


 なお、マロンに表示された現在転職可能な職種は下記となる。


 また、変更職種可能数は増える事がある。


●初期職種(カンストすると★がつく)


★治癒士(奇数時知性+1、偶数時魔力+1)スキル:回復小取得。

農家見習い(筋力+1、体力+1)

木工師見習い(器用+1)

錬成師(知性・器用・魔力+1)

丁稚(知性+1、敏捷+1)

魔法使い見習い(魔力+1)適正のある初期魔法1~3種類を覚える。

鍛冶師見習い(筋力+1)

薬師見習い(知性+1) 鑑定なしでも薬草を見分ける事が出来る。

戦士見習い(筋力+1、体力+1)剣と盾を若干上手に扱える。スキル:防御を取得。

剣士見習い(筋力+1、体力+1)片手剣、両手剣を若干上手に扱える。スキル:スラッシュを取得

槍士見習い(体力+1、器用+1)槍若干上手にを扱える。スキル、薙ぎ払い、突きを取得。

盗賊見習い(敏捷+1、器用+1)スキル:忍び足取得。手癖が悪くなる。動体視力・注意力が向上する。罠を仕掛けたり見破ったりする感覚が上がる。


●二次職種

染色職人(器用+2、知性+1)染料を上手に扱える。染料等を上手に作成出来る。

裁縫職人(器用+2)針・糸・布の扱いが上手になる。

回復術士(知性+1、魔力+1)スキル:回復小が回復中になる。効果の向上。スキル:状態異常石化回復が追加。

精霊魔法使い(知性+1、魔力+2)精霊魔法が使えるようになる。

尼僧(知性+2、魔力+1)聖魔法(弱)を取得。アンデットに攻撃が可能。スキル:回復魔法を使用可能。

盗賊(敏捷+3)スキル:スティール取得。スキル:抜き足差し足忍び足を取得。斥候が得意となる。



「私、とりあえず丁稚になろうと思う。第二に木工見習いか農家見習いか薬師見習いをつけようかなって。」



「前線に出る気がないのに闘技大会優勝って……」


 トリスが読んだラノベではありふれた職業で異世界の神を殺している。


 不遇職が勇者をざまぁしている。最底辺と苛められていたのに、ざまぁしている。


 つまりは誰にでも最強になれる可能性は秘めているというわけである。


 セクシーな踊りに特化したボディコニアンの幼体が優勝するだなんて誰も想像もしない。


「ちなみに私はこんな感じ。そのまま上位職の射手になろうか、魔法使い見習いにしようか悩む。」



●初期職種


木工師見習い(器用+1)

★射手見習い(器用+1)

丁稚(知性+1、敏捷+1)

魔法使い見習い(魔力+1)適正のある初期魔法1~3種類を覚える。

盗賊見習い(敏捷+1、器用+1)スキル:忍び足取得。手癖が悪くなる。動体視力・注意力が向上する。罠を仕掛けたり見破ったりする感覚が上がる。

詐欺師見習い(器用+1、知性1) スキル:女の好きは嘘を取得 スキル:演技を取得 スキル:泣き真似を取得



★二次職種

射手(筋力+1、器用+1)スキル:集中、命中UPを覚える。

精霊魔法使い(知性+1、魔力+2)精霊魔法が使えるようになる。



「トリスは詐欺師一択でしょ。」


「はぁ!?」


 マロンの指摘に声を荒げるトリス。


「いや、だって。フタナリとか詐欺以外の何物でもないでしょ。色々な意味で。」


 確かに良い女いっただっきまーす!と飛びついたら……ツイてるんだから詐欺以外の何物でもない。


「後は、私が丁稚をやるなら隣に詐欺師がいると面白そう。」


 マロンは深くは考えてはないなかったようで、ぱちぱちぱんちと弾けそうな面白さ重視だったようである。

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