第58話 姫騎士は変態が多い

 マロンが特許を申請し、さくらんぼくらぶで試験的にオプションとして販売するのは……


 媚薬(ポーション)、潤滑油(ポーション)、電動こけし、双頭こけし、振動ミニこけしである。


 さくらんぼくらぶは所謂風俗店であるが、その対象は男性だけではない。


 ニューワールド内においては性別も種族も問わない。実際は人族系の男性がほとんどではある。


 しかし女性が来店する事も若干ではあるがあると聞いたため、マロンは双頭こけしも放出する事を決めた。


 先程フォルテにお願いされた分だけは先に手渡す。対価として200000モエ、金貨2枚を受け取った。


 通貨であるモエであるが、媒体は貨幣である。


 1モエ=小銅貨1枚(0.1円相当)

 10モエ=銅貨1枚=小銅貨10枚(1円相当)

 100モエ=小銀貨1枚=10銅貨=100小銅貨(10円相当)

 1000モエ=銀貨=小銀貨10枚=100銅貨(100円相当)

 10000モエ=大銀貨1枚=銀貨10枚=小銀貨100枚(1000円相当)

 100000モエ=金貨1枚=大銀貨10枚(10000円相当)

 1000000モエ=大金貨1枚=金貨10枚(10万円相当)

 100000000モエ=ブローテ硬貨1枚=大金貨100枚(1000万相当)

 10000000000モエ=王ブローテ硬貨100枚(10億円相当)


※ブローテ硬貨=ニューワールドオリジナル硬貨

 ブローテ鉱石という薄いピンク色をした鉱石から加工。金などのような加工が可能なため硬貨に。

 なお、産出量は少ない。王国のとある鉱山以外では未だに発見されていない。

 鉱山は王国に厳重に管理され、不法侵入や盗みなどは厳罰に処される。

 良くて両腕切断、悪くて死罪と言われている。。

 新たに算出される鉱山を発見した場合は、莫大な恩賞を与えられるという。


 

 一般のポーション(小)が5000モエという事を鑑みればもう少し高額が妥当であるが、マロンは今後の付き合いも考慮し今回は少し下げてこの金額で売却する事を決めていた。


「効果が満足いくものでしたら継続して個人的にも購入します。」


 こう言われては猶更特別価格でも良いかと納得してしまうのだ。



 最終的に、「さくらんぼくらぶ」でのオプション料金は……


 媚薬(ポーション)……500モエ

 電動こけし……300モエ

 双頭こけし……200モエ

 振動ミニこけし(2個)……200モエ

 後方専用潤滑油……50モエ

 緊縛具……100モエ



 媚薬200本、こけしは10セット、潤滑油30本、緊縛具5本を納品した。


 マロンはこれらの商品を合計200000モエ=金貨2枚で卸した。

 媚薬は一度限りの


 なお、さくらんぼくらぶの料金であるが、1時間30000モエ=大銀貨3枚である。

 以降1時間延長毎に大銀貨1枚が加算される。



「先程ミーツェが言いましたが、病気……特に性病に関して有効なモノやポーションがありましたら高額で構わないので卸して貰えるとありがたいです。」


 最後にフォルテはこう言った。


 つまり、近藤さんやぴるぴる等が高額で売れるという事でもあった。

 

 恐らくマロンは何かの製作の過程や副産物で作れる日が来る事は想像に易いので、何か良いものが出来ましたら相談しますと返した。


 運営もマロンも、もう元18禁ゲーム会社が作ったゲームの中であるという思考は、どこかに行っていた。


 脇で聞いていたトリスとアクアはボリボリとお菓子を食べ、二人の商談をずっと黙っていた。


 ゲーム中の不祥事以外で経験のないトリスも、どちらの世界でも経験のないアクアも、どう突っ込んで良いのかわからないのである。





 その日の晩、アコンシェル第一夫人とビータ第二夫人がとても大きく艶やかな声を響かせていたのを、近くを歩いた使用人達聞こえていたという。


 年頃の娘達は悶々として過ごしていたとか……


 そしてフォルテに【汁男優】という称号が付いた。NPCにも称号は存在する事を後に知る。


 翌朝、商談にも参加していたその年頃の娘達(二人)は、こっそりマロンから電動こけしと振動ミニこけしを購入したという。


 その際、こけしは深く挿入しすぎると、大事な初めてのモノを傷つけたしまう旨は説明した。


 


 マロンは闘技大会が終わった翌日からお試しで働く事になった。


 マロンが卸した商品を説明する人が必要だからだ。


 ミーツェも常にさくらんぼくらぶに顔を出しているわけではない。


 昼間マロンが立ち寄った店でも店員として働いている。


 全従業員に徹底させるには、幾ばくかの時間が必要なのである。


 マロンは店員(売り子)としてのノウハウを学び、他の従業員は商品説明を学ぶ。相互関係の出来上がりであった。


 マロンが受付をする事で事件が起きるのだが、それはまた別の話である。





 商談も終わり、各々自分の与えられた部屋に戻ると、天蓋付きのベッドの中に身を潜らせる。


 睡魔に襲われ、一度ログアウトする事にしたマロン達。


 ログアウトしている間にもゲーム中も時間は流れる。


 1時間ログアウトすれば1時間と等時間で時間は流れる。


 ホームであれば、その身体は消えてしまうが、今は他人の家。


 ログアウト中の祖語を解消するために、身体は残り意識だけがログアウトする。


 つまりは……いたずらされ放題の状況でもあった。


 マロンは現実時間で2時間眠り、その後風呂へ入り食事の食い溜めをする。


 小串に電話をし翌朝何時に待ち合わせしたっけ等軽く雑談をした後に再びログインをする。


 実にログアウトしてから4時間……ニューワールド内では深夜の事である。




「……んんっ。ぁぅっ。んっ。」


 寝ているマロンの上に覆いかぶさる一つの影。


 影はマロンの服を剥ぎとり何やら擦りあわせている。



「……ふえっ?」


 薄っすら目を開けたマロンの目に映ったのは、発情して興奮して劣情したテレトであった。


「マロンちゃんが悪いんだ。可愛いマロンちゃん……うちの子にならないかなぁ?」



 マロンが視線をずうらすと目に入ったのは、空になったポーションの瓶と、テレトの股間に生えた双頭こけしだった。


 そしてその双頭こけしの片方がどう考えても自分に埋まっている事を実感した。


 マロンを押さえるテレトの力は生半可なものではなかった。


 もう何をしても無理だなと悟ったマロンが鑑定をテレトに掛けた。


 そこで見たステータスは……


 種族:人間

 職業:姫騎士 第二職業:母親 第三職業:調教師

 身長:167cm 体重54kg B:78 W:57 H80

 レベル:185


 HP:5433/5433   

 MP:3418/3418    

 筋力: 356 

 体力: 268 

 知性: 178  

 敏捷  129     

 器用: 252 

 魔力: 280      

 魅力: 212


 状態:超発情


※NPCはプレイヤーのようなステータス上昇値ではない。

 なお、鑑定で他人の称号は見れない。スキルは割愛。マロン程ではないが多い。

 鑑定で現れなくても【溺愛】等は持っている事は想像出来る。


 マロンはツッコミを入れたかったがやめた。


 ナニコレ、ボスクラスじゃんと心の中では思ったが。


 今のテレトはマロン印のポーションにより超発情状態である。

 所謂強●魔状態であった。ゴブリンやオークであった。

 

 そして無駄な抵抗もやめた。

 これまで会ったどんな相手よりもダントツに強かった。

 ルートが違えば中ボスやレイドボスとして君臨してるのでは?というステータスであった。


【称号:眠姦を入手しました。】

【称号:マグロを入手しました。】


 経験が1増加し、後に再生も1増加する事になる。


 眠姦で闇魔法「スリープ」を取得し、魅力が50上がった。


 マグロでスキル「殴打」を取得し、魅力が30上がった。


 スリープは知力と魔力に依存し、その効き易さや効果時間は変化する。そしてそれは範囲内で任意で変動する事が出来る。


 殴打は、腕力を無視してマグロのような大きなものを持って殴る事が出来る。


 マロンがバケモノ(ラスボス)化計画はこうして勝手に進んで行く。


 


 今回の事は商談話の場にテレトがいなかった事が、プレゼン用に出していた商品をテーブルに置いていた事が裏目に出てしまった。



 ポーションの効果が切れると、綺麗な土下座で謝罪をするテレト。股間に双頭こけしを挿入した状態のまま。


 マロン達の身体のあった場所はびしょ濡れで冷たくなっていた。


 マロンは反論したり、赦さなかったりしても面倒だと、謝罪を受け入れた。


 貸し1という事でいつか便利に使ってやろう、それで良いと判断した。


 冒険者ギルドの人気受付嬢に貸し1というのは、良く考えれば他の人達へのかなりのアドバンテージである。


 そしてボスかと間違う程のステータスを持つテレトに貸しを作ることは、後々重要になってくるのではないかとも考えていた。


「あ、でもマロンちゃんをうちの子にしたいってのは今も少しだけ本気よ?」


 これはこれで本気なテレトが少しだけ怖いと思うマロンだった。


 そのせいか、マロンにも変なスイッチが入る。


 

「今度これをミーツェさんのお店で卸す事になったんです。被検体になってください。そして感想を伝えて欲しいな。」


 これは貸し1とは別である。


 マロンも少しだけハイになりかけていた。


 ステータスを無視してテレトを縛れるのはそういうイベントだからである。

 テレトはSとMが同居していた。つまりはそういう事なのである。

 プロレスラーにはMが多いというのと似たようなものである。


 右手には森で採取した蔓で作成した鞭、左手にはロウを。



「はぁぁぁぁぁんっ。可愛い娘に強●される母親ァ。コレハコレデ良いッ!」


 娘になった覚えはないとマロンは思ったが、プレイに興を削ぐのも醒めてしまうので続けることにした。


 テレトは若干、いや……かなりの変態姫騎士母親調教師だった。


 今この瞬間、第四職業【飼い犬】を入手したテレトであった。


※飼い犬=専属奴隷とも言う。


 マロンの経験のカッコ内が1増加した。

 さらに【姫騎士凌●】と【緊縛師】の称号と【鞭捌き】のスキルを取得していた。


 ※姫騎士凌●(スキル:プリンセスラッシュ取得、魅力+50)

 ※プリンセスラッシュ:姫と名の付く相手に特大の突き攻め

 ※緊縛師(器用+20、知性+10)


 そして色々締まりが悪い中、第一回闘技大会イベント本戦の扉が開かれる。

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