第46話 やべぇ幼女の掲示板(第一回闘技大会スレ)

第一回闘技大会スレ



178:ななしの遣唐使


 いいか、予選で起こった事をありのまま話すぜ。

 試合開始と同時に仮面を被った幼女を中心に何か光ったんだ。

 次に気付いた時には全員が吹き飛んで負けていた。

 一発KO!だった。もうわけわかめ。



179:ななしの槍地ん


>>178 あぁ、俺もそれは観客席から見ていた。幼女を中心に円形に何かが広がるように光ったかと思ったら全員が弾き飛ばされていた。

    それってS3の会場だよな?



180:ななしの遣唐使


>>179 いや、M3の会場だよ。って他にも同じような事する奴いるのかよ。



181:ななしの控訴菌


>>179,180 俺はB3。ビーサンだな。ってそれはともかく、なに?仮面の幼女3人もいるの?



182:ななしの連勤術士


 なに?仮面の幼女3人?あれ、それって頭にお面みたいなの被ってた幼女の事かな。噴水の前でチョコバナナ咥えてた。

 遠目だから顔の判断まではつかなかったけど。



183:ななしの槍地ん


>>182 そんなコアなシーンを見ておきながら顔を見てないとか馬鹿チンがぁ!可愛い幼女なの?ねぇ可愛いの?どうなん?



184:ななしの控訴菌


 まぁ、何をされたかわからなかったけど、初見殺しも良い所だよな。そうそう、うちの会場の幼女、スク水着てたぞ。それも旧スク水!



185:ななしの遣唐使


>>184 なんだと?うちの会場の幼女は体操服に紺色ブルマーだったぞ。そういえばお腹の所に名前が平仮名で書いてあったな。



186:ななしの連勤術士


>>185 遣唐使よ、それは多分名前だろうから個人情報の拡散は控えた方がいいぞ。個人情報流出の火消しは……死寝る。あぁ、死ねる。睡眠も食事も最後はいつだっけ?となるぞ。



187:ななしの遣唐使


>>186 あぁそれで連勤なの?別の事でなの?まぁ分かった。話題に上がるまでは控えておく。ただな……体操服の隙間から一瞬垣間見えたお腹とお臍にノックダウンさせられたのは間違いない。



188:ななしの筋肉もざいく


 おまわりさーん。ここに変質者がいまーす



189:ななしの金太負けるな


 S3の幼女は紐みたいな衣装だったぞ?女王様?ボディコン?みたいな。遠目でも俺の目にははっきりと見えたぜ。



190:ななしの槍地ん


>>189 なんだお前もS3の観戦者か。顔は見えないけどなんか少しファンになっちゃうよな。



191:ななしの金太負けるな


>>190 そうだな。あの幼女になら思いっきり握られた……



192:ななしの筋肉もざいく


>>191 おまわりさーんここにも変質者がいまーす



193:ななしの連勤術士


 とにかくやばい幼女が3人もいるのか。オッズは下の方だったんだろ?掛けた奴は儲けただろうな。



194:ななしの遣唐使


 他のトップ攻略組もうかうかしてられないだろうな。

 近鉄騎士とかろりぽっぷんとか中野工務店とか。



195:ななしの槍地ん


 そういやなんでトッププレイヤーの名前って変なのが多いんだ?



196:ななしの剣士見習い


 しらない。でもそいつらが最前線なのは事実だから仕方がない。

 それとさっき個人情報がどうとか言ってたけど、勝ち抜き者の名前は出てるから名前くらいでは問題にはならないと思うぞ。

 ストーキングとかしたらだめだけど。



197:ななしの木の精


 S3にいたんだ……









 掲示板でマロン達の事が噂になる少し前。

 S3の会場ではマロンが試合開始を待っていた。


(うーん。すぐ隣に人がいないのは良いけど……気配は教師ビンビンに感じるよ。)


 マロンがそう感じるのも仕方がない。

 建物の影や地面の中に人や魔物キャラが潜んでいるのだから。


 また、獣系の魔物キャラなどは視覚・嗅覚・聴覚に優れたものも多い。

 そういったプレイヤーからの刺さるような視線などはマロンの肌にビシビシと伝わっていた。



「開幕センターで聖絶スイッチ、開幕センターで聖絶スイッチ……」


 マロンはぶつぶつと呟いていた。

 そしてほぼ同時刻、B3の会場でもアクアが呟いていた。


【それでは、M3ブロック予選を開始します。3、2、1……開始っ!】


 観客が見守る中、試合が開始される。

 多くの目が会場を注目する中、マロンは行動に移す。


「開幕……センターで……聖絶!」


 マロンの身体を中心にしてうっすらと円形の幕のようなものが展開される。

 それは1秒に満たない時間で会場全体に広がっていった。


「うげっ」「ぎゃっ」「え?」


 様々な声が響くと同時に試合終了のアナウンスが場内に響く。

 大闘技場に移動してきた時に付けられた腕輪は生体反応(HP)を感知しており、運営に残量は筒抜けである。


 そのため、マロンを除く全てのプレイヤーのHPが0になった事を示した。


(あ、本当に瞬殺だ。今の能力だと2秒が関の山だから、展開までに2秒以上離れた場所にいたり、物理・魔法とは無関係な存在であればすり抜けられる。対策されてしまえば何度も使えないから確かに初見殺し・初見泣かせでもあるね。)



 同じような阿鼻叫喚、地獄絵図、瞬殺光景がM3、B3でも繰り広げられていた。




「あ、トリスお疲れ様。」


 マロンが噴水前で物思いに耽っているとトリスが姿を現した。

 試合で転移した場合、終了後には転移前にいた場所に戻って来るようである。


「マロンお疲れー。どうやら秒殺出来たみたいだね。」 


 トリスはすっきりしたような表情でマロンを訊ねる。

 マロンは苦笑いを浮かべながらトリスに「あ、うん。」と返事をした。


「お、お疲れ様です。私もなんとかすぐ終わりました。」


 マロン、トリスから遅れる事2分弱、アクアも予選を終えて元居た噴水の前に転移した。


「お疲れ。どう?やっぱり初見には有効でしょ?」


 今の所初見であの聖絶バリアを打ち破る術はない。

 地面を含めて本人を中心に円形に展開するのだから、それに物理・魔法ともに有効なので、魔族や精霊にも有効なのである。


 現状でやり過ごせるとすれば、バリアに当たった衝撃・弾き飛ばされて地面などに強打した時の衝撃などに耐えられるだけの防御力とHP。


 若しくは、展開したバリアよりも外側に位置していない限りは防ぎようもないのであった。


「そういえば、聖絶同士でぶつかった場合はどうなるんだろうね。」


 マロンがボソッと呟いた。


「矛盾の話に繋がりそうだからやめよう?多分お互い弾き飛ばされるけど、ノーダメージとかじゃない?」



 マロンの腕輪にはA3、トリスの腕輪にはC3、アクアの腕輪にはH3と刻印が変わっていた。

 第二次予選の抽選は勝利が確定し、勝ち名乗りを上げた時点で自動的に行われていたのである。

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