第29話 初めてのNPC?
称号のバーゲンセールが終了し、マロンはステータスを確認する。
「こんなにぶっ壊れてて良いのだろうか。それに、このステータスで私はこの先何をすれば良いのか。」
マロンはスタート地点が町ではないため知らない事だが、通常プレイヤーはゲームを開始すると町の中から始まる。
正確には町の広場と呼ばれるところから開始される。
チュートリアルを経てその場にいるため、まずは町内を散策したり人に話しかけたりする事から物語は始まるのだ。
冒険者ギルドを探したり、商業ギルドを探したりと。
いきなり外に出て魔物と戦うのもありだ。
ただし、素材等は各種ギルドに卸す必要があるため、通常はいきなり町の外に出ると言う事は少ない。
ギルドはマージンを得るため、手取りは若干減ってしまうが、その代わり色々な情報を得る事が出来たり、各種ギルドでしか得られない恩恵がある。
お金を預ける銀行のようなシステムもギルドに登録してこその事である。
そして、そんな普通にスタートしたプレイヤーのステータスであるが……
マロンと同じレベル10を超えたくらいであれば、チュートリアルでの振り分けや職業による上昇率にもよるが、物理系戦闘職で筋力が100前後といったところである。
それだけで最初の町近辺の魔物であれば俺TUEEEE出来るくらいの強さである。
魔法職系でも知力や魔力のどちらかが60超でどちらの差異も少ないといったところである。
いかにマロンのステータスがおかしいか。
殴り合いの戦いをすればマロンは直ぐにやられてしまう。
しかし魔法戦となればそこそこの戦いにはなるだろう。
そこにスキルや種族特性を加味したらどうなるか。
白や茶色の可愛い子猫が目の前にいたとする。
殆どの人は攻撃を加えようとは思わないはずだ。
つまりは戦いにすらならないと言う事である。
マロンの魅力に魅入られた様々なモノ達の影響はまだ始まったばかり。
どこかで漏れ出る魅力を押さえるナニカを開発しなければ、マロンのバケモノ化は留まる事を知らない……はずである。
世界の修正力、つまりは運営の手出し、バージョンアップ(ダウン)やテコ入れという外力が働くかどうかも問題であった。
そして今のマロンのステータスはこうである。
レベル:12
HP:160/160
MP:194/194
筋力: 5
体力: 35
知性: 50 (40→50)
器用: 15 (5→15)
魔力: 11
魅力:960 (660→960)(装備+45)
手動振り分けステータスポイント 55
スキル:中級錬金術(8/20)、中級家事(2/10)、中級木工加工(11/20)、初級鍛冶(9/10)、鑑定(中)
未収得スキル:中級踊り
固定スキル:魅惑の踊り、治癒の踊り、再生
種族固有ステータス:経験18 再生4
称号:●はじめてのオプション(HP・HMを除く全ステータス+5)、●はじめての珍種(魅力+50)
●世界で初めての処女喪失(魅力+50)、●初めての処女〇再生(魅力+50)
●初めての輪姦(魅力+50)、●きのこ博士(知性+20)
●初めてのAF(魅力+100)、初めての口淫(魅力+70)、●初めての16P(体力+30、器用+30、魅力+50)
★こけしマイスター(知性・器用+10)、★初めての大人のおもちゃ(魅力+50)、★モテ女(魅力+50)、
★初めての小野兄ィ(魅力+50)、★初めての潮吹き(魅力+50)、★初めての絶頂(魅力+30)
★初めてのおもらし(魅力+70)
魅力の+度合が運営の性癖を表してるのでは?と思うマロンである。
もし、リアルで運営と会う事があるならば、一発ぶん殴りたいと思っていた。
一方で魅力以外のステータス向上は、然程問題ではないと考えている。
称号により+10~20くらいは常識的範囲内だと。
しかし50もプラスされる魅力系の称号は、マロンに一体何をさせたいのか、何を目指させようとしているのか。
次にログインしてきた時にトリス達に何を言われるか、聞かれるか。
「もうステータス見るのイヤ……」
マロンはまだ知らない。
この先レベルが上がった先にあるボディコニアン(幼)からクラスアップした時の事を。
幼女から少女へ変貌を遂げた時にどうなるのか。
マロンは湖から上がると、流石に全裸はマズイと先程収納した洗濯済のボディコニアン衣装を取り出す。
どういう理論かは不明だが、濡れていたはずの衣服はしっかりと乾いていた。
もっとも紐みたいな布装備のため乾き易かったのかもしれないが。
「なんか複雑……」
よいしょと足を通して完全武装をすると、えっちな感じは健在だがモザイクが掛かるような恰好からは卒業する。
シンシアを撫でて「帰るよ。」と伝えるとシンシアはマロンの横について帰路へつく。
帰りは特になにもなく、昨日採取したきのこをついでに採取していく。
マツタケだけでは後の食卓が寂しいと思っての行動である。
途中現れたはぐれのイノブタはシンシアが一爪の元屠っていた。
「肉の追加だね。」なんてマロンは言う。
「野菜欲しいなぁ。」
マロンの呟きは尤もで、肉ときのこ類しかないため栄養バランスは偏っている。
薬草も食べられない事はないが、肉に巻くくらいならともかく、バランスを視野に入れると話は変わる。
「ピーマンとか人参とかキャベツとか欲しいね。」
そういえば、前に読んだラノベではキャベツが襲来してくるイベントがあったな、そしてたまにレタスが混じってたなと思い出していた。
マロンは本格的にバーベキューをしたい欲求に駆られていた。
そしてよくある話ではあるが、口に出した事はフラグとして世界に認識され、現実に起こり得る事象と成り得る事も……
小屋への帰り道、昨日通った道とズレていたため、それは現実となる。
昨日通った道より少し北側……
そこは森の中に於いて、ほんの少しだけ拓けた場所。
ぽつんと、マロンの小屋よりも小さな小屋が在った。
その周辺には畑があり、野菜がいくつか生えていた。
そして農作業をしているだろう小さき人のような姿を発見する。
昨日湖に到着した時は湖の西側であった。
本日到着した湖は北側だったのである。
そこから西に行けば小屋に着くと思っていたため、ルートが若干ズレていた。
それだけの話である。
しかしそのズレにより生じた出会いとなった。
マロンは思わず鑑定(中)を使い、農作業をしている小さき人のようなものを見る。
名前:オプス(NPC)
性別:女
レベル??
職業:農家
特殊スキル:豊穣の女神
スキル:水やり(10/10)、農耕(10/10)、堆肥(10/10)、醸造(10/10)
「スーパーヤサイ人!しかもかっこNPCって……」
マロンは思わず叫んでしまった。
そしてスキルの中に、農業と違うものが混ざっている事にもツッコミをいれそうになる。
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