大切な時間※

「秋好、今日は下でいいかな?」


「うん。あんまり動けないしな…」


「無理させてごめんね?全部任せてくれたらいいから」


漫画とかアニメとか、BLものを見るとだいたいの作品は受けと攻めが決まっている。

けど、僕と秋好はあえて決めずにいる。

攻めたい時もあるし、襲われたい時だってある。

これは秋好も納得してでのルールだ。

ただ、二人の意見が重なった時はじゃんけんで決めるけど……


秋好をベットへゆっくりと押し倒し、キスをする。

ゆっくり、時間をかけて丁寧に……

秋好にはよく「じらすな!」とか「遅い!」って怒られるけど…

大切な人だから、傷つけないようにしたい。

焦ってしたくない。

そんな事を思うと、自然にこうなってしまう。口では怒りながらもちゃんと秋好は受け入れてくれてる。


「ん、…ぁ」


先程ソファで触っていたのもあったせいで、秋好の目がとろんとなるまでに時間はかからなかった。

何回見てもこの顔は可愛いと思う。

普段、ピシッとしていて整っている顔が、僕のキスでこうなってると考えると嬉しくなってしまう。


「いく、何かんがえて…?」


「ん?秋好、可愛いなって思ってた」


「またお前は……」


照れてそっぽを向いた顔を正面に戻す。


「ちゃんとこっち見て…」


そう言ってから軽く唇にキスをし、次は耳へとうつる。


「あ、も、さっきしたからぁ」


「僕がしたいからさせて」


抗議されたけど即却下。

秋好は大人しくなった。


もう何回抱き合ったか分からない。

秋好の感じるところは全て分かってる自信はあるけど、新しい性感帯もあるかもしれない。

そう考えると毎回新鮮な気持ちで抱くことができる。


耳から首筋にうつり、そこにキスをする。

耳よりも感じるそこを舌で舐めると秋好のカラダはびくびくと反応する。


「あっ、ぁん」


先程よりも声が出て、顔にも色っぽさがます。

そのまま首筋を攻めながら、秋好の服を脱がす。


「寒くない?」


「だいじょ、ぶ…」


肌寒い季節だし風邪をひいても困る。

秋好が大丈夫なことを確認し、愛撫をする。



「むしろ、あついぐらい……っぁ」


「あつい?」


「いくに触られたとこ、あつ…いからぁ」


「っ!」


今日、僕の理性はもつだろうか……



******



(全然もたなかった……)


無事?に行為が終わり、横には深い眠りにはいる秋好。

サラサラとした綺麗な黒髪を指で触る。


無理はさせたくなかったのに、結局二人で盛り上がってしまい、三回もしてしまった。


(情けない……)


明日が休みじゃなかったら大変なことになっていたであろう疲労感がどっとやってきた。

それは愛し合った証である心地よいものでもあるが、働いた後だと少しキツくは感じる。


大きく伸びをし布団に潜り込む。

秋好の体温を近くで感じた途端に強烈な眠気が襲ってくる。


あどけない秋好の寝顔を少し見つめ、額にキスをする。


「おやすみ。愛してるよ」



*続く*







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