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 なぜかここに、新たな登場人物である人影がふたり現れた。

「――盛り上がっているところ失礼。おじゃましますわ」

「え? 誰?」

 平見がぽかんと口を開ける。

 当然のような顔をして洋館に闖入してきたのは、ふたりの女性だった。

 ひとりはまだうら若く、ベージュ色の髪をハーフツインテールにした美女だ。肩だしのワンピースに薄手のショールをかけ、10センチくらいの高いヒールサンダルを履いている。ツカツカと誇らしげに音を立て、まっすぐに平見たちに向かって歩いてきた。その斜め後ろには、真夏なのに真っ黒いスーツの上下を着ている淑女が控えていた。

「わたくしの名は『ミス・テリアス』――こっちはお付きの高杉ですわ」

「はぁ」

「事件のあるところに、ミス・テリアスあり! わたしがきれいに解決してみせましょう」

 今にも高笑いしそうに腰をそらすが、特に声は出さずに、彼女は勝ち誇った笑みを浮かべていた。

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