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高校一年生の夏休み――
曲がりなりにも青春を謳歌したいと望む普通の少年平見は、ミステリ研究部の面々と夏の合宿にやってきた。立ち上げたばかりの同好会で、まだメンバーも平見・吉田ふくめてたったの四人。ほかのメンバーは、佐藤(男子)、鈴木(女子)。全員一年生という気楽さだ。
吉田は数あわせで名前を貸しているだけだったが、佐藤の伯父さんの自宅である海辺の館に泊まれると聞いてちゃっかりついてきた。
普段は部室で読書かソシャゲというインドア趣味の彼らだ。海に来たといっても、海水浴やバーベキューなどはせず、近所を散策する以外は部屋にこもって、おすすめのミステリ作品のプレゼン大会を行った。その後、明け方まで思う存分にミステリ談義に興じた。
合宿三日目の朝。
あとはもう帰るだけの最終日に、その事件は起こった。
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