過去
偶然すれ違うときに
目をそらさなくなった
あなたの中でだけ
決着の付いている過去
この傷を見ても
何も痛まないのなら
この傷の中の
あなたは死んでしまった
抉って蝕んで
腐るほどのことを
瞬き一つで済ませるぐらいならば
哂って蔑んで
凍りつくぐらいに
せめてもっと傷つけてほしい
本当に偶然なのか
戸惑いは震えるが
あなたの中ではきっと
名前すらない過去
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