諦めない

鶯色だったコートは

闇に同化してしまった

誰も僕を知らない

街の隅で眠る


観覧車の影が

雑草すら枯らしていく

スピーカーの向こうには

光に踊らされた世界


命の底から

叫んでいた頃

諦めない諦めない

あの声はなんだったのか


降り出した雨から

逃げ出している今

思いを言葉にしたら

消滅してしまいそうだ


命の灯火

燃えていた頃

諦めない諦めない

必死にもがいていた


コートだった残骸

踏みつけて泣いた

誰も僕を知らない

死んだ街で眠る

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