警察のお世話になりました(前編)

2022/09/26、警察のお世話になりました。

うちのマンションにある駐輪場へ

自転車で通院しようとしたら

それがない。

管理人さんを呼んで確認しましたが

どこを探しても見つかりません。

もしや、盗まれたか。


「あなたの電動自転車は

去年、11月に買ったばかりなんですよね。

バッテリーとか狙われたんじゃないかな」

管理人は言いました。


そこで警察に電話したら、

「うちに来て、被害届を出してください」

そこで、警察署へと赴いたら、

「防犯登録カードがないので

受け付けられません。ご近所の交番に

それを持って受付番号をもらってください」

保険のために、必要なんだってさ。


帰宅したら11時頃。

防犯登録カードを見つけ、

午後1時ごろ坂道を登り

40分かけて近所の交番へ。


交番の壁には、「重要参考人」や

「人探し」のポスター、写真(懸賞金付)

大麻は違法だと告げるポスターなどが

所狭しと貼られています。


壁の上の方には、

黒い額縁に飾られている筆書。

『署訓 一件発生総力結集』

トヨタの社訓みたい。


警官は、30歳代の小太りの男性。

黒いマスクをしているけれど

好感度ばつぐん。

ふつうの態度をしていて、

こんなふうに言いました。


「その自転車、カギをかけていたんですか?

だとしたら、その自転車だけ

狙ってやったとしか思えない。

カギを壊すのに時間がかかるから

泥棒も、危険を冒すことになる」


わたしは不安になりました。

「たかが十万の電動自転車ですよ?

狙われるようなこと、わたしはしたのかな……」


「いつもと違ったことをしているってこと、

ないですか?

たとえば、普段の行きつけのスーパーに

置きっぱにしているとか。

別に疑うわけじゃないんですけどね、

そういう例を何度も経験しているものですから」


わたしは考えに沈みました。

「そういうことも考えたので、

とりあえず、ここに来るまでのスーパーの

駐輪場も見たんですが

なかったんです」


 それじゃあ、ということで、調書を書かされ

さっそく、捜査開始。

(続く)



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