昔話は難しい?

昔話の本を、ネ友に貸したんですが

「昔話って難しい!」というメッセージが来ました。

どうして昔話が難しいの?

わたしには判りませんでした。


有名な昔話は、「桃太郎」とか

「浦島太郎」

「かぐや姫」などですが、

そういった昔話を、

難しいと言った人はだれもいないのです。


「浦島太郎」にいたっては

科学的根拠をもとにして、

「相対性理論」の説明をする、という

ラジオ番組まである。


かぐや姫は、市川崑先生が

『竹取物語』として映画にしました。

ということで、なんら難しいことは、

ないような気がしました。


坪田譲治さんの編纂した昔話のこの本には、

「桃太郎」「浦島太郎」のほかに、

「つるの恩返し」も入っています。

これらの話は、ACジャパンのラジオCMにもなっている。

どうしたって難しいとは思えない。


そこで、ネ友に「なにがわからないの?」

と聞いてみたところ、


「一寸法師」についてなんですが、なぜ京へ行って

偉い人になりたいのか、わからない……


と言うのです。

童話なら、なぜそうなのか

文章の中で説明があるのに、

昔話だと、自明の理として

話がどんどん進んでいくので

わけがわからない、と……。


そこでわたしは、京がどんな場所だったのか、

時代背景を説明しました。


2000年間首都だった京は、田舎の人間には

あこがれの土地だったこと。


東京で有名になるというのは

70年代・80年代の人々の夢でした。

それと同じように、京に行くのが、当時の男のロマンだった……

という説明をしたのでした。


現代では、

わざわざ東京に行かなくても

有名になることが出来るようになりました。

たとえば、YouTubeでフォロワーをゲットするとか

ブロガーになるとか。


なので、京に行くということに憧れを持つ、ということ自体が

理解不能になるのは無理もない話ですね。


時代によって変わっていく価値観。

その中で生き残っていくのは、どんな昔話なのか。

気軽に昔話が語れない現代……

学校での授業が必要になるかもね。

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