悪人とはだれか

先日の5月19日放送の

『こころの時代』の話・続きです。


この番組のMCをやっておられる

明治大学院名誉教授 阿満利麿 さんによると、

『浄土真宗』における悪人とは、

世間一般にいうところの

道徳的規範・社会的規範に反した悪人ではない、

といいます。


では『浄土真宗』における悪人とはだれか?

それは、身体の悩み・心の悩みに悩まされている

わたしたち自身のことで、

それを取り去ろうとどんなに努力しても、無意味だと悟った人が

念仏にすがる、それが善人だというのでした。


いわゆる、現実に対する諦めっていうか、

現実に対する厳しい自覚が見て取れる宗教です。

でも、思うんだよね……。

もし、それを核兵器廃絶運動に結びつけたら

どうなるんだろうか。


広島は安芸門徒ということで、

浄土真宗の信者が多い土地のようですが

核兵器廃絶運動もかなり盛んです。

被爆者は言います。

わたしたちがこうむってきた、かなしみや痛みを

人々に繰り返して欲しくない、

だから核兵器は廃絶しなければならない。


それを浄土真宗的に解釈するなら、

そういう考え方じたいが、「こころの悩み」で、

解決出来ない苦しみということになる。

核兵器は自力で廃絶される見込みがないですから。

ならば、残された道はどうなるんですか。

現実に存在する核兵器という巨大な悩みをなくすためには

念仏となえてりゃいいんですか。


阿弥陀仏の念仏で救われる。

イエスを信じれば救われる。

でも。

けっきょく救われるのは、その人「だけ」じゃん。

それが悪いとは言わないが

救いってそんなもんなのかしら。

それなら救いってすごくエゴ的なんじゃなかろうか。

みなさん、どう思います?


わたしは真言宗についても

浄土真宗についても、何も知らないけれど

宗教ってなんだろう、とまたしても! 思ってしまいました。


わたしは個人的には、日本における神道が好きです。

日常とつかず離れず存在していて、

教義がないので救いは約束しないけど、

現世利益はそれなりに、という点が

誠実さを感じていいなと思いますね。


変わってるかな。


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