壊れたものは戻らない

あるアイテムや事柄をだいじにしていたら

それが縁になって世界が広がった、

なんてことありませんか。


残念ながら、わたしにはその経験がありません。

婚家のおばあちゃんがだいじにしていた

ワイングラスも、クラッシャーにゃんちゃんのせいで揃ってない。

だから、縁が広がることもない。


アイテムが縁を広げたことはほとんどありませんが

パソコンボランティアをしていて

年寄りに顔を覚えられてしまい

「わたしたち、手芸をしてるのよ

 いっしょにやらない?」


というお誘いを受けたこともあります。

これが、縁のはじまりなのでしょうが

何度か書いているとおり、

わたしは五段階評価で家庭科一なので

手芸ははじめからあきらめてます。


家庭的な人間じゃないわたし。

父に対しても、家庭的な世話をしたことがなかった。

自分を振り返ってみると、

父に対してつめたかった

自分自身が悔やまれます。


婚家のおばあちゃんが胃がんで倒れたときも

家庭的な世話をしてやらなかった。

病院で世話係の人をやとって

広島市にその費用を援助してもらって……

だから、ワイングラスが壊れてしまったときは

悲しかったです。


壊れたものは戻らない。

曲がったものは、直せない。

と、聖書にあります。


壊れた妹との関係も

直らないのかもしれません。

むこうは、あの事件を

もう忘れた、と平気でうそぶく

人間です。


昔を思い出せば

飼っていたチャボの足を洗濯ばさみではさんで

障害チャボにしたことがある人間です。


わたしの手のひらの中で壊れたワイングラスのように

どんなにおさえても、心は壊れていきます。

恩を売って優位に立つつもりはないし

あんなヤツ、ほうっておけと思うこともある。


妹に残してやるアイテムは、

父の遺品ぐらいでしょう。

妹がそれを縁にして

交友を広げることは考えにくい。


自分の好きに生きればいいんだと

見放す自分もいる。

甥がいなければ訴えているところ。

妹がのうのうと生きているという事実が

わたしを苦しめています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る