舐めたらあかん

わたしは一度も犬を飼ったことがないので、

犬を飼う人の実態がよくわからないのですが

とても気になることが、ひとつあります。


それは、【飼い主の気持ち】です。

犬を飼って長くなると、だれもがそうとは限りませんが、

いちおう、自分がご主人さま、もしくは

上役のようなものになりますよね。

つまり、犬は忠実な部下のはず。


自分の方が立場が上なので、

たとえば新聞紙とか、ボールとかを取りにやらせる。

もし、犬の飼い主だったら、

どういう心構えをまず持つべきなのか。


犬を訓練するあるじならば、それをしつけ、指導し、

時には褒め、時に叱る。そうやって一人前のりっぱな成犬に育て上げていく、

というのが、飼い主のあるべき姿……と思う人もいるかもしれない。

しかしわたしの思う飼い主の最低限の矜恃とは、

「舐められるのはあかん」なのです。


なぜ、突然、舐められる話になったか。

今回、わたしははからずも、

他人に口出しするうるさいPTAのオバサンになったからなのです。


PTAのオバサンとそれが、どう関係するのか。

話はとびますが、トイプードルの話をします。

小型犬のトイプードルというものは、

愛玩犬として最近、ちまたでよく見かけるようになりました。

足元をちょろちょろ駆け回り

からだにいろんな衣装を着けて、

ナマイキです。


しかし、フレンドリーなはずのわたしの顔を見て

キャンキャンほえるのは、

ありゃどういうわけでしょう。

飼い主はそれを抱きかかえて散歩しています。


犬の散歩をするはずでしょ!

あんた、犬に舐められとるんとちゃうの!

わたしは、アレを見るたびに、

胸がムカムカしてきます。


ついにある日、エレベーター内部でツンとしたおしっこ臭。

ペット不可のマンションで犬を飼っている人がいる。

当然、管理人に言いつけました。


つまり、PTAのオバサンになったんです。

舐められるもんかと逆上した結果です。

わたしもイヤな女になったもんだね。

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