夫・心臓の手術までの道のり(その3)

電気ショックと聞いて、熱いものがこみ上げてきた。

ドクターに

「泣かないで」と慰められてしまいました。


病状が落ち着き、電気ショック療法をせずに済んで、

その日は薬をもらって帰ることに。

ヒマなので薬の担当者を観察。

黒い髪を七三にわけていますが、

目元の辺りがどこかで見たような?


彼の仕事がひと段落ついた時点で、

ツカツカと近づいていきました。

相談員の背後では、ふたりの女性看護師が

忙しそうに電子カルテを見ています。


わたしは相談員にちかづくと、ひとこと。

「ね、ね、アンガールズ山根に

似てるって言われたことない?

 目のところなんか、そっくり!」


看護師ふたりは大爆笑。

相談員は、目を丸くして、

「どうもありがとうございます……」

褒めてない気もするが……(笑)


そんなこんなで次の受診日(3月25日)。

薬も投与したし、手は尽くした。

ふつうの人ならとっくに落ち着いているはずなのに

夫はまったく、落ち着く気配なし。

動悸は激しいばかり。


この状況に、病院側も業を煮やしてきたらしい。

4月15日に手術だったのが

4月1日に繰り上げになりました。

3月31日から入院して準備をし、

4月1日にカテーテル手術。

24時間絶対安静。

4月2日に退院です。


コロナの関係で面会はひとりだけ、しかも手術当日のみ。

なので、わたしが行くことに。

夫は仕事が心配でしかたがない。


「契約社員なのに、こんなに重要な仕事を任されて

だいじょうぶなのかなあ」

 ぶつくさ言いつつ。やりがいがあって嬉しそう。

 それはいいけど、打ち合わせのために

 1時間ほど仕事に出なければならない。


「フルタイムで仕事は無理だよお」

 夫はヘロヘロで言います。

「動悸でからだが揺れるんだぜ?」


 脈拍が平均150なので、とても仕事が出来ないが

 状況は待ってくれない。

 コンピュータの仕事って忙しい。


 ともあれ、ピンチヒッターが夫の代わりをつとめてくれるとのこと。

 明日はいよいよ入院です。

(なので明日は日記をお休みします)。



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