夫・心臓の手術までの道のり(その2)

市民病院救急科に行き、1度目は症状が出ずに帰宅。

翌日は、症状が出たけど、市民病院では受け付けてくれず、

H病院へ。そこから検査を受けて紹介状をもらい、

3度目の正直、市民病院の循環器科へ。


最初は4月14日、15日、16日とカテーテル手術のため

入院ということになりました。


「薬を飲めば、たいていの人はおさまるんですがね

お宅のご主人の不整脈は、ガンコみたいです。

根本治療は、手術しかありません」


わたしもメラノーマ手術をしたことがあるけど

夫の場合は心臓だから

わたしはとても、不安になってきました。


病名は、『発作性上室性頻拍』。

心臓を通っている脈のバイパスが

なにかの拍子で異常に電気が流れ、

脈拍が激しくなる病気で、

死ぬことはないけど辛いみたい。


夜、一旦帰ってからも、またしても不整脈がひどく、

夫はヘロヘロになりながら、わたしを連れて車で市民病院へ。

着いたのは夜10時半頃かな。


夫の治療中、2時間ずーっと待たされました。

病棟に用意されていた本の中から、

『ズッコケ結婚相談所』を完読。

今はなき那須正幹先生の作品で、

わたしが1番読みたかったズッコケシリーズでした。


『ズッコケ結婚相談所』は、甘くない現実を上手に描いています。

子どもが夢中になるのは判る。


ハチベエ、ハカセ、モーちゃんのキャラクターが生き生きしています。

しかし中身が頭に入ってこない……(汗)

そこへ、担当の若いドクターが登場。


「いろんな薬を投与してもダメでした。

 ガンコな不整脈を元に戻すために、

いま、電気ショックの用意をしています」


 電気ショック!

 瀕死の重傷人を蘇生するやり方じゃないですか!


脳内が真っ白になっていると、

「車で来られたんですよね。電気ショックをした場合、

 ご主人は、麻酔で寝てしまいますから、

 ご自分で運転して連れて帰って頂けますか?」

 

 夫は心臓発作をしたわけじゃなさそうだ。

 ドクターも、落ち着いている。

 電気ショックは気がかりだけど、

 これは運転して帰れという神の意思か。

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