すっかり春ですね!

先月初旬の肌寒さなど、ウソのような暖かい日が続いています。

中国地方では、すでに河津桜が咲いており、

本格的な春が間近に迫っています。

この時期に上衣を着て出かけますと、

おばさん・おじさんたちもすでに春ファッション。

雰囲気的にも、華やかになってきました。


近所を歩いていたら、十五人ぐらいの幼稚園児たちと遭遇。

公園を、数珠つなぎになってたのしそう。

「こんにちは」

 と保母さん。

「どちらから来られたんですか?」

 訊ねると、

「すぐそばの駅前からです」


 ああ、あの幼稚園ね。

 わたしには、心当たりがありました。


 その幼稚園では、

 以前はそこで、園児たちが、保父さんたちと園庭で遊んでいました。

「よーし、今度は黄色いランドセルを拾っちゃえ!」

 キャーキャー言いつつ、ランドセルへと駆けていく子どもたち。

 いまはそれがすっかり、出来ません。

 車が庭を占拠して、子どもたちは庭の端っこで砂遊び。

 どうして子どもの遊び場を駐車場にするのかな。


 わたしは考えこみながら、散歩を続けます。

 春の陽気に誘われて、散歩している園児たちは、

 みんな、綱を持っていました。

 電車ごっこのつもりらしい。

 とっても楽しげでしたが、

 わたしには心がざわざわする光景でした。


 幼児たちは、縛られてはいない。

 この暖かい日ざしの中で、おとなしく公園を行進している。

 だれも勝手なことをしない。

 異様といえば、異様な光景。


 まあねえ、十五人の幼児たちがてんでんばらばらに行動したら

 保母さん保父さんの負担はめっちゃかかると思うけど。

 子どもらしくない光景だと思うのは、わたしだけなのか。

 みんな大人しすぎる。

 人間らしさが感じられない。

 あれじゃあ、羊と同じだよ。


 日本人は、小さな頃から羊にさせられるのかな。

 和の精神ってこわい。

 わたしは、自分をきちんと保たねば。

 と思いつつも、なかなかできないでいる

 平凡な春の日の出来事です。

 



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