目前で、テロ?

近所を散策していたわたしは

スーパーマーケットで買い物して

うちに帰ろうとしていました。


その日は豚汁にするつもりだったので

大根とゴボウと豚肉を買いました。

早く帰らないと豚肉が腐っちゃう。


すると、いきなり道路に現れた警察の人。

「ここから先は、立ち入り禁止です」

 いかめしい顔で両手をひろげて立ちふさがる。

しかしその先には、うちのマンションが……!


「どうしたんですか!」

聞いたら、警官はマジな顔で、

「あのマンションの前で、

 異臭が発生したという報告がありました。

 人体に危険があるかも知れません」


え、テロなの?

テロなの?

異臭というと、オウム真理教……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル


「困ります。あのマンションに住んでるんです!」

 わたしが文句を言うと、警官は、

「ウラへ回ってください。とにかく、ここは封鎖します」


 封鎖って……。

 車も通れないし、人はもちろん通れない。

 どうしよう。義母は無事だろうか。


ドキドキ、動悸がしてきます。

身近にテロなんて、考えもしなかった。

オウム真理教は、滅んだのではなかったか。

足もガクガク。目の前はまっくら。


その後、救急車が6台もあらわれて

ストレッチャーが走り回り、

サイレンがぶんぶん。

大騒動になりました。


わたしはいそいで我が家に帰ります。

五階の我が家、サリンが来ても

だいじょうぶ……のはずなのだが……


ワンワン鳴り渡るサイレンの中、

家へ飛び込んだわたしを見た義母が

笑顔で、

「たーいへーんなことに、なったーわねー」

のんきな声で言うのであった(滝汗)


 異臭の正体はそのときはわかりませんでしたが

 ストレッチャーは空っぽのままだったし

 ワンワン鳴り渡っていたサイレンも

 数分後にはおさまって、

 みなさん、平常に戻りました。


 びっくりした。

 テロかと思ったけど、

 ただのガス漏れだったようです。


 しかしねえ。

 水鳥の行きかう公園のある、閑静な住宅地に

 いきなり異臭とは……。


 もしかして、滅びた恐竜のオナラだったのだろうか。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る