キは基本のキ

煮込みハンバーグを作って欲しい、と夫にリクエストされ、

さっそく作ることになりました。

合い挽き肉を買い、昨日の残りの煮豚を付け合わせに。

この煮豚は賞味期限切れではありませんよ!

同じ失敗をするのは、カツオくんぐらいにしておきましょう。


作り方

1:みじん切りのタマネギをまる1個いためます。

よーく炒めたら、練りまくった合い挽き肉と合わせ、

ナツメグと塩胡椒をする。そして、小判型にしてフライパンで焼く。


2:トマトケチャップとコンソメ汁で20分煮込めば

できあがり……のはずでした。


「あれま。ハンバーグ、すごく硬いよ?」

 義母が、ふしぎそうに言いました。

「練りすぎたかな?」

 わたしが言うと、義母はハッタと手を打ちました。


「あんた、卵とパン粉を入れてないでしょう!」


そうでした!

1:の手順で混ぜるはずだった

卵とパン粉を、ウッカリ入れそびれてしまったのです!


義母は爆笑しました。

「あんたらしい失敗じゃねえ!」

 義母は、こういうときでも決して怒りません。

 この人を怒らせようとしたら、

 かなりの努力が必要です。


「でも、これってハンブルグのハンバーグでしょ?」

 わたしが釈明すると、 夫が、

「ハンブルグのハンバーグは、生の牛肉なんだよねー」

 ちぇ。物識りってきらいだ。


 硬ーい硬ーい、煮込みハンバーグ。

 大失敗の巻ですが

 レシピを見なかったのが敗因なのです。


「キミは、料理のセンスがないんだから

 レシピを出してから、そのとおりに

 作らなきゃ、ダメだよ」


 夫の言葉に、わたしはふくれます。

 小説のセンスはなく、

 料理のセンスもない。

 だったら、わたしの価値ってなんだよ?

 専業主婦として、どうなのよ。


「まあ、エッセイのセンスはあるみたいだけど。

 手順を間違えず、基本を押えて、

 きちんと作れば、キミだってできる」


 初心者から進歩がないってことだ。

 主婦歴30年が泣きますよTT



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