第24話 5p
内藤真由美の過去
彼女はここ
内藤真由美は幼い頃から顔が可愛いかったので、下心のある男性たちから揶揄われてきた。
それは小学生だった頃の出来事
『おい!内藤!今日はパンツ何色なのか見せろ!』
『きゃああ!やめて!』
『あはははは!今日はイチゴ柄だな!皆んなみた?イチゴ柄だよ!イチゴがら!』
『おおお……学校一かわいい女の子はあんなパンツ履くのか……』
『す……すげ……』
上掲の会話のように、多くの男たちのいやらしい視線に晒され、内藤真由美は深く傷ついてきた。女の子らも、男性に人気大有りな内藤真由美のことを嫉妬し、助けようとしない。
度重なるセクハラ的行為は内藤真由美を限界にまで追い込んだ。
なので、ある日、
内藤真由美は覚醒した。
お父さんは空手の有段者。オリンピックに参加するほどのフィジカルを持っているため、内藤真由美は強くなろうと決心した。
男たちのセクハラと女子たちの嫉妬に耐えながらお父さんの道場で特訓を繰り返していた。
そして
『おい!内藤!今日はどんなパンツ……』
『調子の乗んな!!!!!!!!!!!』
と、叫んで、強力な回し蹴りを喰らわした。
『ぶへっ!』
鼻血を流しながら意識を失う男子を見下ろしてから内藤真由美は宣言する。
『破廉恥なことをする男は全部殺す……』
それ以降、内藤真由美の頭の中には、男子=エッチなことばかりする敵、女子=嫉妬する敵、の公式が成立した。そして、小中高と、風紀委員として猛威を振るい、風紀を乱す輩が現れたら、相手が誰であれ、裁きの鉄槌を下してきたわけだが……
心は普通の女の子だ。
今まで、鎧を何枚もつけて、周りから舐められないようにしてきたのだが、古澤倫太郎の匂いを嗅ぐと、その鎧が、仮面が一枚ずつ剥がれていくような感じがして内藤真由美は戸惑っている。
古澤倫太郎side
「ん……」
現在、内藤先生は体を動かさずに、上半身裸の俺の胸に収まっている。正直、めちゃくちゃ暴れると思ったが、意外と大人しい……
そして……
「スーハー……この匂い……さいっこう……スーハー」
「あらあら……内藤もいよいよ堕ちたのね。だとしたら、私も混ぜて!」
「え?ちょっと?京子さん?なんで近づくんですか?え?あ、ああ!」
京子さんが俺と内藤先生に飛び込んできてせいで、バランスが崩れてそのまま倒れてしまう。
そして京子さんも俺の胸に鼻をくっつけては
「スンスン……スンスン……この匂い……たまらないんだよね……」
俺の匂いを堪能したのであった。
「ちょ、ちょっと!お母さん!ずるいですよ!私も!」
「……倫太郎……私たちを守るって言っておきながら……修羅場になったじゃない!!……えいっ!私も!」
「有紗!真礼!今はまずいんだ……」
すでに内藤先生と京子さんが俺の上に乗っかって匂いを嗅いでいるのに、さらに二人がくるのは、俺の体が持たない……
だけど、ここから早く抜け出したいという願望は叶うはずがなく、有紗と真礼も、俺の上に乗っかって……
「すうーはあーすうーはあー今度こそ心行くまで堪能させてもらうわ」
「くんくん……くんくんくん……倫太郎くんの匂い……」
俺を堪能する。
「スーハースーハー」
「スンスン……スンスンスン……」
「すうーはあーすうーはあー」
「くんくん……くんくんくん……」
しばらくの間、内藤先生、京子さん、有紗、真礼が交響曲バリに鼻息を立てながら俺の匂いを全力で嗅いでいる。
「ああ、どうなっても知らないから!(ナデナデナデ)」
追記
おう
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