第18話 風紀委員会の顧問先生(新キャラ)
学校の正門近く
「よ!倫太郎」
「成幸か。珍しいね。お前、いつも朝補習が始まる直前にやってきたじゃん」
「いや、徹夜でゲームばっかやったから、ちょっと体に無理が来てね。だから久々に早く寝たわけさ」
「またゲームかよ」
「この年となると、体も思うようには動かないんですよ」
「それ、中年オッサンが聞くと怒るぞ」
いつもは、一人で登校するのだが、今日は珍しく成幸と一緒に正門をくぐることにした。ここ最近、暑くなっているので、衣替えした生徒がちらほら見える。
普通の生徒たちは校則に則った制服姿で歩いているのだが、遊び慣れていそうな男女の場合は、異様に目立つ。特にあのカップル。
「ね、今日はカラオケ行かない?」
「それある!私、歌いたい曲いっぱいあるんだよね!」
「ははは!じゃ、フリータイムでいく?俺も久々に魂を燃やしたくなったわ〜」
いかにも遊んでいそうな男女が歩いている。男の子はシャツのボタンを外して胸がはだけており、ズボンに収まりきれずシャツの片方が出ている。ネクタイもゆるゆるで、ゆるゆりはっじまっるよ〜
女の子も大きめのベストを着用しており、パンツが見えるほどスカートが短い。
類は友を呼ぶとは、よく言ったもんだ。
ヤンキーっぽいのとギャルっぽいのがお互い腕を密着させながらこれ見よがしに堂々と正門へと向かう。
そんな二人の様子をぼーっと見つめていると、野原が微苦笑まじりに口を開く。
「倫太郎、あいつら、ネクタイの色をみると、紛れもなく一年生だよな」
「ああ」
「2年生3年生たちが校則に
「まあ、
「そうだよね。衣替えの時期にはいつも取り締まっているから。あの人が」
と、俺たちが会話すると、やがて正門が見え、ある人物が仁王たちしている姿が目に入った。栗色の肩まで伸びる髪をポニーテールにし、メリハリのある体つきとそれを覆うワイシャツ、スカート、黒ストッキング。確かに美人だが、通り過ぎる生徒たちを怖い顔で
「おいおい、そこの二人!なんて格好してんだ!!!!!!!!」
そう叫んだのは
だけど、男女二人は内藤先生の怒鳴り声なんか軽く聞き流して、テクテクと教室目掛けて進む。
だけど、
「おい、なんで無視する。気でも狂ったのか?」
そんな二人の前に立ちはだかる内藤先生。二人は互いを見てから、ぷふっと嘲笑い、内ヤンキーっぽい男が煽るような口調で言う。
「へえ?別にいいんでしょ?こっちの方が動きやすいし、ていうか、むしろ校則変えて、俺みたいにフリーでスタイリッシュな着崩しも可能にすればいいのにね〜」
「それめっちゃある!スカートも短い方が涼しくて気持ちいいんだよね〜えっへっ!先生も私みたいにスカート短くやってみませんか?そしたらきっと、男からモテまくりんですよ!」
いかにもギャルっぽい女の子も間抜けた声で男の子を助勢する。いくら人権が重要視されつつあるとはいえ、あれはちょっと目に余るものがある。先生を完全に舐めていやがる。
いつしか、登校中の生徒たちは足を止め、内藤先生とお調子者二人が漂わせる物々しい雰囲気に圧倒されていた。
先生は俺たちなんか全く気にすることなく、あの二人に近づき、
胸ぐらを掴んだ。
「え、え?!ちょっと先生?なに勝手に俺の胸ぐら掴んでんすか?これは違法!違法なんすよ!」
「そうそう!これはないですよ先生!暴力!そう。これは暴力です!幼気な生徒たちに乱暴するなんて、お巡りさんにちくったら先生どうなるんでしょうね?ふふ」
「ちくれ」
「え?」
「はい?」
「そんなのでビビったら風紀委員会の顧問は務まらんぞ!これから、人間クズであるお前らを徹底的に指導してやるから覚悟しな!!!!!」
「うえええええええええ!!!!!ネットでは違法とか言ったら大人しくなるって書いてあったのに……あっ!先生ちょっと!俺のシャツに皺寄るから!」
「お巡りさんにチクるって言ったら、手出せないって他校の友達が教えてくれたのに……なんで……ぶえっ!先生!そんなに引っ張ったら痛いですよ!」
「問答無用!」
内藤先生はものすごい力で二人を生徒指導室へ強制連行した。
そして
「ああああああああああああああああああ!ごめんなさい、ごめんなさい!!!」
「うえええええええええええええええええ!ゆるひて!ゆるひてくだしゃい!!!!!!」
「倫太郎」
「なに?」
「この学校内で、内藤先生に逆らえる人って果たしているのかな」
「……ん、校長先生より強いんじゃねーの?だとしたら理事長と理事長の奥さんくらいかな」
「ん……だろうな」
俺と野原は、内藤先生の強キャラ感に恐れ
追記
新キャラ登場です(強キャラ感が半端ない)
次回から、体育祭をテーマに書いていきます!
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